竹槍突撃から抜けられない日本 2016年は、AIやロボットが僕たちの雇用を代替するという議論が一般に大きく取り上げられた年だったということになるだろう。この手の話は数年前から盛んに論じられていたけれど、政府の「第四次産業革命」なんてビジョンも出てきて、データ活用の分野を中心に、日本が海外勢の下請けになるかリーダーになるかの分岐点だなんて話になった。テクノロジーによる雇用の代替をテーマにした授業やゼミは人気になり、学生たちの関心が高いこともうかがえる。他方、シェアリング・エコノミーの分野でも民泊を中心に議論が進んだし、仕事を分け合うという点では「ギグエコノミー」なんて言葉も定着しつつあるようだ。 しかし実際のところを見ると、こうした掛け声とは裏腹に、何度も指摘されてきた「日本的な問題」がここにも顔を出しているように見える。つまり『失敗の本質』などに登場する、集団的な意思決定の難しさだとか、長