筆者も参加した、ジブリからゲーム実況までを扱った映像論集『ビジュアル・コミュニケーション 動画時代の文化批評』(南雲堂)刊行にあたり共著者全員により、「映像/視覚文化の現在」をテーマに様々な角度から共同討議を行いました。 ■映像はいかに変わったか――ポストメディア化と「ハリウッド的」なるものの変容飯田 この討議では論集『ビジュアル・コミュニケーション』での議論を踏まえ、視覚文化をさまざまな角度から考えていきたいと思います。まずは社会の変化やテクノロジーの発達が映画や映像をいかに変えたかという話から始めましょう。 渡邉 多様なジャンルを含む視覚文化の状況を整理するにあたって、ひとまずそのなかでもすでに百年を超える長い歴史を持ち、作品や言説の質・量ともに中心的な地位を占めてきた映画の話から始めるのがやはり見通しがいいように思います。映画というジャンルが大きな変化を迎えている、という問題が、ここ