街をのほほんと歩いていたら、 イケメンで、 着物を着て、 荷物たくさん持って、 後ろに水車をくくりつけた自転車に乗っている、 そんな若者を見つけたので、 思わず声をかけたんです。 僕:「なんですか? これ」 若者:「あ、これ、図書館です」 図書館!? 確かに水車を見ると、羽根板の一枚一枚に、 本がかかっています。 びっくりして、いろいろ詳細を聞いてしまいました。 彼は、この「じてんしゃ図書館」を引っ張って、 日本一周をしている最中だそうです。 愛知からはじまって、 北海道まで周って、今東京。 ここまでで、なんと2年。ずっと自転車を漕いで、 お金がなくなったらバイトをして、本を買って、 また旅に出る。そんな生活だそうです。 次は九州の方に行くとか。 そもそもこの旅は、 この若者と1冊の本との出会いからはじまりました。 百年の愚行 池澤 夏樹 (寄稿), アッバス・キアロスタミ (寄稿), フ