国立アイヌ民族博物館(以下、当館)が2020(令和2)年7月12日に開館した。当館を含むウポポイ(民族共生象徴空間)に関しては、すでに同僚の立石信一が本編に寄稿しているのでご参照いただきたい。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初4月24日開館予定だったのだが、5月29日に延期され、7月12日に再延期されての開館だったことをまずもって付け加えておく。 コンテンツの一部休止をともなう開館 100年に一度とも言える感染症の危機にいまもってさらされているわけだが、当館の開館までにも館内=ウポポイ内でどのような対策が考えられるか、協議が重ねられてきた。当初は、そもそもいつ開館できるのか不安ばかりであった。すでに開館していれば、館内のどこがいつ混雑するかなど想像がついて対策を打てるだろうけれども、一度も来館者を迎えたことがなかったわけであるから、不安は底なしであった。初めての感染症対策に
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