2月の新刊、天野忠幸編『戦国武将列伝8 畿内編下』が刷り上がって参りました。刊行に先がけまして、「戦国武将列伝」シリーズ第4弾となる本書の読み所を解説します。 本書では戦国時代中期~後期(主に天文年間~元亀年間頃)に活躍した武将40名を収録しました。 中でも核になるのは、やはり三好長慶をはじめとする三好一族および被官たちでしょう。この時期の畿内戦国史を語る上で、三好氏の動向は外すことができません。本書では長慶のほか、長慶の実子および養子である義興と義継、長慶の畿内制覇を支えた弟の三好実休・安宅冬康・十河一存、庶流の三好長逸・生長、三好宗渭、そして被官の石成友通、松永久秀・長頼・久通、松山重治らを収録し、手厚い構成になっています。 このあたりは三好氏研究の第一人者である編者の天野先生の面目躍如というところでしょう。これまで「三好氏」として包括的に語られることが多かったですが、本書によって個別