「若いのに」。他の患者から口をそろえて声をかけられるが、しっくりこない。若い人の病や死が一様に不幸だというのか? インターネットで公開している闘病ブログに、続けて書き込んだ。 がんになってよかった 【グラフ】がんの10年生存率 京都大工学部3年の山口雄也さん(21)=京都市左京区。2016年に胸の胚細胞腫瘍、18年に急性リンパ性白血病と、相次いでがんになっていた。ブログは闘病の様子を写真も交えて紹介し、ウイットに富む。 「『若いのに』の後は『がんになってかわいそう』と続くんでしょう」。山口さんは、自身に向けられる視線への違和感を口にする。「失ったことも多いが、得たことも多かった。入院先に色んな人が見舞いに来てくれ、SNSだけのつながりだった友からも連絡がきた」 ブログにはこうある。 闘病生活はお盆みたい。何気ない生活を送るだけでは会えない多くの人のもとへ帰省できた。実はつながっていた安心感