ビジネスシーンにおいて「英語はツール。できて当たり前」という風潮は強まる一方。英語弱者にはもはやチャンスはないのか。AI翻訳研究の第一人者として知られ、『ChatGPT翻訳術』を上梓した立教大学教授の山田優さんは「日本人の英語は“流暢性”に問題がある。ChatGPTを活用することで、英語力の差を埋められる可能性はある」という──。 従来の機械翻訳では「伝わる英語」なのかがわからない… 「私たちは同じ釜の飯を食った仲だ」 たとえば、この文章を英語で友人に伝えたいとします。パソコンやスマホで機械翻訳に入れてみましょう。出てきた答えは、“We all ate from the same pot”。 ──これは本当に伝わる英語なのか? 誤訳ではないか? というか、私は英語力がないから判断できない。そもそも英語アレルギーなのだ……。 たちまち行き詰まってしまいます。これは、従来の機械翻訳の限界です。
書店で本を選ぶとき、まずオビに目がいくという人も多いだろう。本書を手にしたとき、私の目に最初に飛び込んできたのは「資本主義から自由になる生き方考」というフレーズだった。同じような内容の本を、これまで山ほど読んできた。棚に戻そうとした次の刹那、ひっかかる言葉が目に飛び込んできた。 「効率化するほど時間に追われるのはなぜ?」 その時私は、これと同じ問題意識を抱えて転職した直後だった。SNSやSlack、zoomなど便利なツールを導入して効率化してきたはずなのに、時間的な余裕が失われていくのは何故だろうか。公私の境が曖昧になり、休む間もないモグラたたきのような消耗戦を強いられている気がしていた。 脱出を試みながらも、私はまだ具体的な課題設定ができていなかったのだと思う。本書を読み始めたら、ページを繰る手が止まらなくなった。まるで砂漠に水が沁み込んでいくように、活字が浮かび上がり頭に飛び込んできた
世の中の変化に法律が追いついてない。多くの職場で「業務指導しただけでパワハラ?」「テレワーク中の怪我は労災?」「会社支給のスマホを壊したら弁償?」「そもそも副業ってどうなの?」など、働く側も雇う側も戸惑ってばかりだ。こういった事案を“職場問題グレーゾーン”と定義し、その疑問に実務経験豊富な社会保険労務士が丁寧に答えていくのが本書だ。 「もうすぐ育休復帰する後輩が第二子妊娠の報告。何だか素直に喜べません。」 「退勤後も上司からLINEで業務指示!リラックスできません。」 「会社に内緒で副業を始めたらしい同僚。バレないんでしょうか?」 モヤモヤしてるだけなら、まだ幸せだ。実際には知らないうちに加害者になっているかもしれない。明日部下から「パワハラで訴えますよ!」と言われる可能性もある。本書によると、パワハラ上司に限って「熱意ある指導」と思いこんでいる場合が多いらしいのである。どうだろう?いま首
この数か月私は、本はどうあるべきか。本屋はどうあるべきか、ばかり考えている。取次に25年もいて、そんな問いに意味がないことはわかっているのに、である。なぜなら、足元の売上減は顕著で、それに加えて光熱費・人件費・決済手数料の増大はあまりにも急激だからだ。本屋の明日に、これまでとはレベルの違う暗い影を落としている。 新しい仕組みへの置き換えが必要なのは誰の目にも明らかだ。しかしそれが何なのかは誰もわからない。「こうあるべき」という理想は見えない。元より資源なき島国にあれほど多品種で大量の紙の出版物が必要だったのか、狭い国土に2万軒以上の本屋が必要だったのか。ただ華やかなりし昔を取り戻せば良い、というものではないのだ。 VUCAの時代だからではない。もともと何が適正なのかわからないのである。製造・流通・小売の3者が古いルールにツギを当てながら規模を大きくしてきた。その結果まるで九龍城のような複雑
この本は面白かった。専門知と世間知の間で葛藤する臨床心理士の「現代版赤ひげ先生」が、自慢のヒゲを撫でながら捻りだした一冊だ。わかりやすい言葉、アカデミズムの知識、日常生活人としての思い。その三者が融合し、骨太な大変価値ある本にしあがっている。 タイトルをみればわかるとおり、本書のテーマは情報の交換だ。人類が高度な文明を持つ万物の霊長になり得たのは、卓越した情報交換術があったからだ。生き残るために必要な情報の受け渡しもあったのだろうが、互いに聞き合うことで癒され孤立することなく生きていくことができた。そして、そこにコミュニティが発展したのだ。 ところが現代では分断が進み「聞く」の不全が社会を覆っているというのが、本書の問題提起である。一例をあげる。古い友人と再会して「またみんなで飲みたいね」という話が出ても、一方は早速他の友人に声をかけようとするが、もう一方はコロナがおさまってからにしようと
TOP > プレスリリース一覧 > 「書籍・雑誌」のプレスリリース > 株式会社鴨ブックスのプレスリリース > 書店を応援する出版社「鴨ブックス」! 8/18発売の新刊『コミュニケーション大全... YouTube講演家の鴨頭嘉人が設立した株式会社鴨ブックス(東京都豊島区)では、8月18日に新刊「コミュニケーション大全」(著者:鴨頭 嘉人)を発売します。この度、発売前に重版が決まり累計2万部突破しました。 【経緯】 新刊発売を記念した講演会での予想を上回る反響や、下記にまとめた鴨ブックスの設立趣旨にご賛同いただいた書店さんから多数のご注文をいただいたことを受け発売前に重版が決まりました。8月1日から先行販売を実施した書店では、書店ランキング1位を獲得するなど店頭での動きも好調です。 【新刊「コミュニケーション大全」概要】 コミュニケーション研究家として55年間の人生を歩む鴨頭嘉人が、人間関
もしあなたが子育て中なら、「大学を出て、企業に就職して、定年まで勤めあげる」人生をわが子に教え込まないほうが良いだろう。素直で親孝行な子であるほど、将来、親の期待を裏切って罪の意識に苛まれる可能性が高いからだ。時代は音を立てて変わっていて、もはや「過去の方程式」は通用しないのである。 本書の著者はリーマンショックの影響を受けた就職活動で、60社から不採用をもらった経歴の持ち主だ。その時に親の期待を裏切った感覚をもったという。有料老人ホームでの介護職を選んだものの1年で辞めてしまう。その後、国語の教員免許を取り教育実習の教壇にたったが「自分には向いてない」と感じ、またも道半ばで諦めてしまう。 就活の際は「ハイヒールをカツカツ鳴らして、都会を闊歩するキャリアウーマン」に漠然と憧れていたようだが、教員は志をもって挑んだ道だったという。そこで休日に教育関係でボランティアをしようと考え、平日に派遣社
世の中には「知っておくべきだが、知らされていない事実」がたくさんある。本書が伝えるのは、日本で過酷な労働を強いられている「留学生」や「実習生」の実態である。出稼ぎベトナム人と、彼らを食い物にする日本語学校、低コストで彼らを雇う企業という三すくみの構図がメインだ。また、中国人や日系ブラジル人減少している理由や、外国人介護士が定着しない理由についても書かれている。本書に書かれていることは、日本人として「知っておくべきこと」の一つだと私は強く感じた。 本書によると、日本で暮らす外国人の数は、昨年1年間で約11万人増え、過去最高の約223万人に達した。こうして増加した外国人の半分以上は「実習生」と「留学生」として日本にやってきているそうだ。実習生・実習生とも、前年比15パーセントの増加。まさに、急増である。なぜ、そうなったのか。本書によると、その答えは出稼ぎである。日本の労働人口は減り続けており、
本書は、梅田蔦屋書店で人文コンシェルジュを務める書店員・三砂慶明氏が200冊を超える古今東西の本を縦横無尽に紹介した本だ。「幸福」「生きづらさ」「働き方」「お金」「食」「死」といったテーマについて、まるで本棚の本を開陳するように自らの体験を交えながら血の通った論考を綴っている。 この本を読むと、自分が抱えている悩みは人類史上で必ず誰かが経験している、という事実に気づかされる。それは安心以外の何物でもない。生きることは各自固有の経験なので、本の中にその答えは書かれていない。しかし、数千年間で蓄積された本の中には、自分に似た思考の痕跡を見つけることができるのだ。 それを発見して悩みが軽くなり、自己肯定感が生まれる。自惚れや劣等感という極端な感情から解放され「いまここ」に自然な姿でスックと立てるようになる。そんな読書のチカラを私たちが知るキッカケは何だろう。当たり前過ぎて誰も指摘しないが、それは
よくできた物語は、幸せな家庭の食卓のようなものだ。誰かの意図によらず会話が転がって、やがては笑顔でつつまれる。破格の大事業を成し遂げた人の生涯も同じように、自力だけでなく何かに導かれるものなのかもしれない。世にも稀なる遊園地、ディズニーランドについて書かれたこの本を読んで私はそう感じた。 スティーブジョブズの本を読んだときにも、同じようなことを感じた記憶がある。一見、無秩序な選択のように見える点を結ぶと、最後には素敵な絵が完成するようなイメージだ。私の世代は夢に向かって直線的に努力する教育を受けてきた気がするが、トンデモない価値を生み出すためには何かの力に従うのが正義なのかもしれない。 今こそ読みたい、ディズニーランド誕生秘話 目の前で移ろうVUCAと呼ばれる海のうえにウォルトディズニーという船を浮かべて、本書を読み終えた私は今ぼんやりと世界を眺めている。その視界の先には「自ら好きなように
著者のプロフィールをみたら「100文字で済むことを2000文字で伝える作家」と書いてあった。本書を店頭で手に取ったとき、私はもの凄く心が疲れていて、2000文字ぐらいの軽妙なエッセイを紙で読みたい気分だった。その前提で今回は「100文字で済むレビューをおよそ2000文字で」書いてみたい。 店頭でタイトルを見て「傘のさし方がわからない」…「はて?」となり、はじめにを読んでその意味が分かり、「確かにそういうことあるよなぁ」と感じ入って本をレジまで持っていく、という本のつくりだ。でもこの時の私は気持ちに余裕がなく、店頭でガバっと本を開き、たまたま開いたページから読み始めた。 テレビでよくやるダーツ旅行や、オンラインゲームのガチャみたいな感じだ。 最終章だ。そこには「iDeCo」の申込書類を書いている著者の姿があった。そういえば私も1年半前に会社員を辞めたときに、自分が60歳になったときの未来を想
良い本を読んだ。得した気分だ。本書は、食糧問題、教育格差、医療介護、気候変動など、現代の諸問題に対して、正しい形でファイティングポーズがとれるようになる本だ。未曽有のコロナ禍による疲労。その蓄積により、私たちは闘う気持ちが削がれつつある。でもここで「脱成長」に逃げ込むのは「他国から取り残される未来」を選ぶのと同義である。 本書が目指すのは、テクノロジーを加速させて社会課題をビジネスチャンスに変えることだ。いま世界各国ならびにGAFAMをはじめとした巨大企業は、ESGやSDGsを自分ごととして大転換をはかっている。本書ではそのダイナミックな動きが紹介されていて実に楽しい。国ごと企業ごとの活動の濃淡も、うっすらと見えてくる。 投資を本業にしている著者ならではだろう。また、京都大学で生物学、東京大学大学院で環境学を学んだ後、グーグル勤務を経た著者だけあってアカデミズムとビジネスの双方の知見をもっ
ホーム > もっと見る > その他 > 目指すは「書店を元気にする出版社」!新ビジネスモデルへの挑戦で出版業界を刺激する鴨ブックス 「炎の講演家」として知られ、YouTubeチャンネルの登録者数は100万人を突破。著者としても18冊を出版している鴨頭嘉人(かもがしら よしひと)氏。 そんな鴨頭氏がこの度立ち上げた「鴨ブックス」は、書店の売上げを伸ばすことを経営方針に掲げている出版社です。なぜ書店の現場に目を向けているのか。出版にかける想いや新たなビジネス戦略について、社長の鴨頭氏と副社長の吉村博光氏にお話を伺いました。 (写真右から)鴨ブックス 代表取締役社長 鴨頭嘉人氏、 同 取締役副社長 吉村博光氏 「良い情報を広めるため」に出版社を始めた ――まずは出版社を始められたきっかけからお聞かせください。 鴨頭 人間は情報に影響を受けていますので、人の考え方の差は情報の差によって生じます。僕
本書には、生物学や遺伝子学的に「人が悩んでもしょうがないこと」が51個紹介されている。著者は生物学や脳科学・心理学の領域に長年携わるかたわら、「たけしのTVタックル」などの人気テレビ番組への出演経験も多数ある進化心理学者だ。とても親しみやすい、読んで楽しい本に仕上がっている。 相田みつをの「にんげんだもの」という書をみて、心が軽くなる人は多いだろう。本書を読むと人間であるまえに「動物だもの」ということに気づかされる。人間も動物と同じように、生物学的に「できないこと」や「ついやってしまうこと」がある、とわかるのだ。これほど簡単に肩の荷が下りる本には、なかなか出会えるものではない。 しかし一方的に、しょうがないから怠惰に過ごせ、と言われたらイラっとするに違いない。本書は決してそういうアプローチの本ではない。悩みを手離してもよし、自分の得意を見出して個性を伸ばしてもよし、なのである。いわば、スト
これからは音声がくる!という話をよく耳にする。ただその全体像を理解できている人が、一体どれだけいるだろう。少し前にクラブハウスが流行し「音声」に関する関心が一気に高まった。それ自体は一旦沈静化した感があるが、音声配信のプラットフォームの多くはCH流行後も再生回数を大きく伸ばしているという。 本書は、現在凄まじい勢いで再生回数を伸ばしている声のブログサービス「Voicy」の社長が、いまGAFAが狙っているこの市場の未来について、一般の方が読んでもイメージできるようにまとめた本だ。本書では、著名な声優さんによる「ボイステック革命後のある一日」の朗読も聴けるし、何よりもデータが豊富で説得力がある。 読んでみると、ボイステックのメリットの多さに胸が躍る。近視と老眼で文字が見づらくなりレーシック検討中の私には、音声化で画面と向き合う時間が減るのは願ってもない幸せだ。また、普通のおっさんがビールを飲む
若者の3年内離職率が過去10年で最高、というニュースがあった。記事によると、若い世代で成長性の高い分野をめざす動きが活発だという。私は非常に明るい変化だと感じたが、周囲には否定的に受け取る人がいた。いわく「とりあえず就職してその中で頑張る」という生き方が通用しなくなって、可哀想だというのである。 あなたはどう思うだろうか。経済の動きにあわせて動く数値なので、大きなトレンド変化なのかどうか読みにくい、という意見もある。それももっともだ。でもここで私が問いたいのは、新卒で骨をうずめる働き方から、労働市場を渡り歩く働き方に変わりつつあるとしたら、それを歓迎するかどうかである。 本書の著者は有名企業ミスミを2年で辞めている。著者の場合は、採用面接時に「3年で辞めます」といって入社しているのだから、期待を裏切ったことにはならないだろう。25歳で独立してボーダレスジャパンを創業。いまや、日経ビジネスの
昨年、お昼ご飯にレトルトカレーばかり食べている時期があった。なかでも「エリックサウス」の南インド風チキンカレーの味が気に入って、二日に一度は食べていた。お店には行ったことがないのだが、レトルトで病みつきになった。外出自粛の折、ありがたい限りである。レトルトなんて、という評価はいまどき非常識なのかもしれない。 そのスタンスは本書にもある。「ざっかけない(=ざっくばらんな)」という言葉が何度もでてくるのだ。人気店「エリックサウス」の創業者が、ド定番の「おいしいもの」を一品ずつ語っていく本。中身は、月見うどん、サンドイッチ、チキンライス、幕の内弁当、小籠包、カツカレー、ホワイトアスパラガス…どれもこれも、身近な料理や食材たちである。 さすがは自称「変態料理人」。食へのこだわりがもの凄い。でもグルメが「おいしいものを食べるのが好きというよりはむしろ、おいしくないものを食べることが嫌い」な人たちだと
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