大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」(住之江区)の今年度末の閉館をめぐり、日本船舶海洋工学会は11日、メーン展示物である実物大の菱垣廻船(ひがきかいせん)「浪華丸(なにわまる)」の保存を求める橋下徹市長宛ての要望書を市役所に提出した。橋下市長は同日の定例会見で「要望を出すなら、自分たちが何をするのか示してほしい。必要だというなら買ってくれたらいい」と批判した。 市では時空館を閉館後、民間業者による施設の再利用を予定。浪華丸については解体するか、施設とセットにして再利用の業者を公募するか検討している。 要望書では史料に基づき復元された浪華丸の学術的価値に触れ、「海運の中心であった大阪の誇りとして市民を鼓舞する」などとして保存を求めている。 橋下市長は事務方に検討を任せているとした上で、「学術的な意味があるのかもしれないが、税金で存続させるべきものではない」と述べた。