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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/civil_faible (4)

  • 『沈黙を破る』 - 弱い文明

    一般公開されたばかりの映画『沈黙を破る』を観てきた。長らくパレスチナ/イスラエル問題を伝えてきたジャーナリスト、土井敏邦氏の監督作品である。17年に及ぶ取材記録をもとに構想された全4部から成るドキュメンタリー、『届かぬ声─占領と生きる人びと─』の第4部にあたる。 期待に違わぬ作品だった。 僕は今までパレスチナに関する様々な映画を観てきて、その良し悪しに関する一つの基準として、「パレスチナ問題をよく知らない人にもわかる/勧められる」という視点を持ち続けてきたのだけど、この映画こそ、その基準に一番合致するものだと思った。そんな風に言う人はあまりいないかも知れない。でも僕は、「これこそ!」と感じてしまった。 この映画は広河隆一氏の『NAKBA─パレスチナ1948』のように、パレスチナ問題の根源に遡ったりはしていない。出来事は比較的最近、ジェニンの虐殺・バラータ難民キャンプへの侵攻など、2000年

    『沈黙を破る』 - 弱い文明
    sadamasato
    sadamasato 2009/05/12
    "こんなにも、希望を破壊するツールがさんざん投入された後でも、この地にはまだ希望を生み出す「人間」というものがある、ということ"
  • おぞましきもの〜ガザから始まるフラグメンツ・エクストラ① - 弱い文明

    世の中には、おぞましいものがいくらでもある。その中でも、自分が昔から何よりもおぞましいと感じてしまうのは、おぞましい現実に言及しつつ・言及することで自分の身をその現実から安全地帯へと引き離すことができる─引き離せばそれでよい、一件落着、と考える人の心に潜むものである──ということに、わりと最近思い至った。一つ二つのきっかけで思い当たったのでなく、いろいろな経験が積み重なって、その重みが、鈍い自分にもようやく感じ取れるようになってきた、ということだろう。 ちょっと回りくどいというか、極端かもしれない例を上げる。 イスラエルのガザ侵攻が深刻な様相を呈していた頃、とある軍事オタク系の──と言ったら失礼かもしれないから、「研究者」の、と言っておこう──ブログ記事に行き当たったことがある。イスラエルが使用した白燐弾についての記事だった。 記事の主旨はこんなようなことである。 ○白リン弾は

  • 北の飛来物、雑感 - 弱い文明

    JR武蔵野線の、いつも通勤の際に通り過ぎている駅の一つに、北朝霞(きたあさか)駅というのがある。上の二文字が某国の俗名とかぶっているので、寝ぼけ眼で駅名表示を見て「えっ?」と一瞬たじろいだり、たまたまこの駅から切符を買った時に、財布に入れた切符の半分だけが「北朝─」とのぞいていた時など、内心クスクス笑ってしまったことがある。 その「北朝」霞駅からはかなり離れているが、埼玉県朝霞市には陸上自衛隊の朝霞駐屯地がある。ここも、僕にとっては馴染みがないわけではない場所だ。そこから歩いていけるくらいの、書籍・雑誌の再販センターで1年以上もバイトをしていたことがある。 それと、実は僕の親父は元自衛隊員で、この朝霞駐屯地に配属されていたのだ。といっても、高校を出てからの2~3年だけで、僕が生まれたのは彼が普通のサラリーマンになって何年も経ってからだから、その意味では僕自身に直接縁があるわけではない。ただ

    北の飛来物、雑感 - 弱い文明
    sadamasato
    sadamasato 2009/04/09
    北朝鮮と大騒ぎする政治家やマスコミのマッチポンプを、醒めた目で眺めている間に、奴らは何かを得、僕らは何かをスられてしまったということ。シニカルに眺めるのではなく、"別の現実を作り続けなければならない"。
  • あらためて、村上氏のエルサレム賞受賞について - 弱い文明

    前回の「フラグメンツ」の中で、村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチについての感想を書いた。スピーチの全文を手に入れていないので、細かいニュアンスはわからないと断った上での感想だったが、その後読んだいくつかの報道記事を受けて、当初の印象を多少修正する必要を感じている。特にアサヒ・ドットコムの記事を読んで、強くそう思った。 村上さんは、授賞式への出席について迷ったと述べ、エルサレムに来たのは「メッセージを伝えるためだ」と説明。体制を壁に、個人を卵に例えて、「高い壁に挟まれ、壁にぶつかって壊れる卵」を思い浮かべた時、「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調した。・・・・(同記事より) この「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても」というところに、僕は激しく共感する。これがあるのとないのとでは、スピーチの印象はまるで違う。しょせんこれだけの「作家」どころか、

    あらためて、村上氏のエルサレム賞受賞について - 弱い文明
    sadamasato
    sadamasato 2009/02/19
    むしろ問題が浮き彫りになったという意味では、良いスピーチだったと言えるのかもしれませんね。
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