南極海で、調査捕鯨船が反捕鯨団体「シー・シェパード」の妨害を受けている問題で、農林水産省は16日、3月中旬まで予定していた今季の調査捕鯨を中止し、船団を早期に帰国させる検討を始めた。 中止すれば、2005年からシー・シェパードの妨害が始まって以来、初めてとなる。 同省によると、シー・シェパードの抗議船は今月9日、船団の母船「日新丸」に対し、ロープをスクリューに絡ませようとしたり、発煙筒を投げ込んだりする妨害を実施。11日にもレーザー光線を照射する妨害を行ったという。 日新丸は抗議船を振り切って逃げようとしたが、速度が遅いために失敗。現在も抗議船の追尾が続いており、9日以降、鯨を捕獲できない状況が続いている。今季の妨害は1月初旬に始まったが、日新丸以外の僚船への妨害だったため、捕鯨が続けられた。しかし、母船である日新丸は鯨を捕獲するため、運用できなければ捕鯨はできないという。