日本人の鬱憤やスカッとしたい気分 この座談会を行った大きな動機は、メディアをはじめ日本の世論に出ている「日本を非難ばかりしている韓国とはもう付き合うな」「いつも日本の足を引っ張る韓国とは関係を絶つべきだ」といった声の当否を検証することだった。 こうした声は、韓国から連発される不愉快な反日ニュースに接している日本世論の正直な感情の表れである。ソウルから見ていても韓国をめぐる日本人の鬱憤やスカッとしたい気分はよく分かる。だが、隣国との関係のあり方を感情だけで決めるわけにはいかない。 結局、安全保障や外交、経済、文化など国益を前提に冷静に計算した場合、制裁や断交は現実的ではないし、とくに現在の日本の国際的立ち位置からは「無理」ということになる。すると、「日本は損を覚悟してでも韓国に断固対処すべき」という声が出るが、そうした覚悟論あるいは強硬論は「感情」である。対外関係で必要なのはスカッとするカッ