藤本貴之[東洋大学 教授・博士(学術)/メディア学者] *** サントリーのCMに出演したモデル・水原希子に対する、出自・人種差別的なヘイトツィートが問題になっている。簡単に書いてしまえば「水原希子はアメリカ人と韓国人のハーフなのに、日本名を使って活動しているエセ日本人だ」という差別攻撃である。 もちろん、どのような状況であれ、人種や国籍・出自での偏見による差別などあってはならないし、そんなことが話題になったり、炎上すること自体に日本のネット社会の国際性の低さや未熟さを感じる。 一方で、今回の騒動の本質は、単なる人種や出自に対する差別や偏見だけから来ているわけではない、という点に本当の問題があるのではないか。水原希子自身のこれまでの言動に騒動の要因、炎上の原因があるように思えるからだ。 水原希子は、父親がアメリカ人で母親が在日韓国人ある。しかしながら、在日韓国人の母親は、もしかしたら生まれ
東京の森美術館で行われた会田誠展が、一時期ネット上で議論になっていた。特に『犬』という作品は、四肢が切断された少女が描かれており、展示に対して抗議が起きる事態となった。 私自身は、東京まで展示を見に行く機会もなかったので、作品の内容についてはあまり積極的にコメントしていない。ただし、抗議については幾人かのフェミニストが表だって賛同していたので、気になって見ていた。その中で、私の目についたのは澁谷知美のブログ記事である。 「会田誠の絵も、それがアートになる社会も醜悪である (署名募集あり)」 http://shibuya.txt-nifty.com/blog/2013/01/post-1160.html 私はTwitterでこの件について発言していた。それは以下のまとめ(togetter)で読むことができる。 「『会田誠 天才でごめんなさい』展への抗議関連の議論」 http://togett
ウォール街占拠についての本『99%の反乱』の翻訳者の一人である山形浩生氏が、発売からさほど立っておらず、売れ行きも定かではない、私の初めての翻訳書『ウォール街を占拠せよ/はじまりの物語』を口を極めて罵っている。しかし、それらの非難は事実において全く根拠がないものである。以下そのことを指摘する。 この本に対する氏の評価は、まず「少し時間がたった客観性皆無」の本というものだが、『ウォール街を占拠せよ/はじまりの物語』の「序文」(訳者序文などではなく、原著者たちが書いた序文)には、「私たちがこの本を出版しようとしている二〇一一年一二月はじめ」とあり、原著が出版されたのは今年二月である。それから翻訳権の交渉もあり、翻訳作業に半年はかかる。氏が翻訳家であることを考慮すれば、こうした事情は当然氏も知っているであろう。 以上を考慮すれば、「少し時間がたった」くせに、との言葉は、狡猾な悪意に基づいた攻撃で
◇文化政策に必要な長期的視野 財政が苦しくなれば削られる対象になるのは文化事業だが、その端的な例が今の大阪に見られる。橋下徹大阪市長による大阪フィルハーモニー交響楽団や文楽という特定分野への補助金削減発言が各界に波紋を呼び、署名活動や文化人の意見表明をはじめ、各方面から議論が起こっている。短絡的な数値目標や、権力者の趣味によって決定される文化政策など論外だが、昨今の騒動には有意義な一面もあることを指摘しておきたい。 * 公的資金による文化支援はどのように正当化されるのかという議論は、これまで学術界でなされ、それが社会的な関心事になることはほとんどなかった。すべての文化活動を補助できるわけではない以上、どの分野をどのように支援するのかは常に検討されるべき課題である。 従来はともすると惰性的に文化政策が進められてきた。その中でいわゆるハイカルチャーや伝統文化の領域には、公的に保護されて当然とい
イタリア・カゾーリア(Casoria)にあるカゾーリア現代美術館(Casoria Contemporary Art Museum)で、抗議のため火を付けられたフランス人画家セベリーヌ・ブルギニョン(Severine Bourguignon)氏の作品を見る同美術館のアントニオ・マンフレーディ(Antonio Manfredi)館長(2012年4月17日撮影)。(c)AFP/ROBERTA BASILE 【4月18日 AFP】(写真追加)文化施設への予算削減を続ける政府の方針に反発したイタリアの美術館が、所蔵作品を焼却するという大胆な抗議活動を始めた。 この美術館はナポリ(Naples)近郊の町カゾーリア(Casoria)にあるカゾーリア現代美術館(Casoria Contemporary Art Museum)。17日に敷地内で、抗議に賛同するフランス人画家セベリーヌ・ブルギニョン(Seve
The comic-book writer Alan Moore is not usually surprised when his creations find a life for themselves away from the printed page. Strips he penned in the 1980s and 90s have been fed through the Hollywood patty-maker, never to his great satisfaction, resulting in both critical hits and terrible flops; fads for T-shirts, badges and shouted slogans have emerged from characters and conceits he has d
少し前に以下のツイートが話題になったが、 1998/11のバローのビジネスウィーク記事や大竹文雄氏の小論*1に示されている通り、この話の元ネタはテキサス大学のDaniel Hamermeshらの研究である。そのHamermeshが、「The Daily Show with Jon Stewart」でコケにされている(H/T Stephen Williamsonのブログエントリのコメント*2)。 以下は、その番組の各シーンのやり取りを小生が勝手に要約してみたもの。 記者 醜いことが収入等の面で不利になることが分かったのは、ご自身が醜いからですね。 Hamermesh いいえ、このことを深く研究した経済学者だからです。 記者 あなたはご自身を客観的な数字という尺度ではどのように評価されていますか。 Hamermesh 3ですね。 記者 なるほど、10段階の3ですね。 Hamermesh いいえ
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