「人間は羊、狼、番犬(牧羊犬)に分けられる。俺は狼は許さない。羊を育てるつもりもない」 本作の主人公クリス・カイルとその弟の少年時代、彼らの父親は、弱い人々を守る番犬のような「強い男」になることを二人の息子に強要する。その父親の考え方は、クリス・カイルの人格形成において、彼のなかの正義感や功名心と結びついていく。 成長したクリスは、ビンラディン主導によるタンザニア、ケニアのアメリカ大使館同時爆破事件のニュースをTVで見るや、すぐに米軍へ入隊する。しかも、米軍の中でもとくに過酷かつ危険な訓練や作戦を強いられる海軍特殊部隊(ネイビー・シールズ)の選抜試験を受けることを選ぶ。 彼自身が言及するようにその原動力となったのは、彼のアメリカへの「愛国心」である。そしてそれは、彼が弟をいじめっ子から腕ずくで救ったように、善良な羊たるアメリカ国民を、国家の番犬として、狼たるテロリストの群れから救おうとする
100年かけて1冊の辞書をつくった人たちがいる。『英国古文献における中世ラテン語辞書』は、1913年からつくり始め、2013年に完成した。最初のスタッフは完成を見届けられないことを覚悟していたはずだ。それでも辞書作成を始めたのはなぜか。『100年かけてやる仕事』(プレジデント社)の著者が、その動機を解説する――。 死語ばかりの「中世ラテン語」の辞書をつくる意味 1冊の辞書を完成させるのに100年という歳月をかけた人々がいる。『英国古文献における中世ラテン語辞書』の作成プロジェクトは、1913年にスタートし、2度の大戦を経て2013年に辞書が完成した。スペインのバルセロナに建設中のサグラダ・ファミリア大聖堂は、1882年に着工され、完成予定は2026年。この大聖堂ほど有名ではないが、イギリスの中世ラテン語辞書は、それに匹敵する大文化プロジェクトだった。 僕はロンドン駐在時にこの辞書の完成を知
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