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  • 【素面のダブリン市民】第4回 ダブリンお茶事情(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    紅茶好きのアイルランド人 連載第4回となる今回は「素面のダブリン市民」というタイトルにふさわしく、ダブリンのお茶事情について書きたいと思います。紅茶と言えばイギリス…と思う人が多いかもしれませんが、実はアイルランドのほうがひとりあたりの紅茶消費量はイギリスより多く、トルコに次いで世界で2番目にたくさんお茶を飲む国民です。イギリスでは最近、初めて日常的にコーヒーを飲む人のほうが紅茶を飲む人より多くなったことが大きく報道されていましたが、アイルランドのほうがイギリスよりも紅茶好きの国と言えます。カップの大きさや飲み方によるのでざっくりした推定ですが、アイルランド人は1日に4~6杯の紅茶を飲むそうです。 ブリテン諸島ではブレックファストティー(朝用の紅茶)なるものがたいていのスーパーで売られています。アイリッシュブレックファストティーはアッサム茶葉を使う紅茶で、たっぷりミルクを入れて飲みます。

    【素面のダブリン市民】第4回 ダブリンお茶事情(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
    saebou
    saebou 2024/07/24
    連載でダブリンのお茶事情について書きました。ブリテン諸島では飲酒に反対していたクェーカーが代替としてお茶やお菓子の産業に進出していて、ダブリンにもその名残があるとかいう話をしています。
  • 【素面のダブリン市民】第3回 ブルームの日(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    先日、6月16日は「ブルームの日」(Bloomsday、ブルームズデイ)でした。ブルームの日というのはジェイムズ・ジョイスが1922年に刊行した小説『ユリシーズ』の主人公であるレオポルド・ブルームからとっています。ジェイムズ・ジョイスは1882年にダブリンで生まれたアイルランドの作家で、詩・戯曲・小説など幅広い分野の著作を残しましたが、小説が最も有名で、20世紀文学において高く評価されている小説家のひとりです。代表作である『ユリシーズ』は1904年6月16日のダブリンを描いた作品です。1904年6月16日というのは、実は著者のジョイスが後にとなるノラ・バーナクルと初めて格的なデートをした日でもあり、その日を舞台に小説が展開する…というわけです。 毎年、6月16日は『ユリシーズ』のみならずジョイスの作品や業績についての記念日として世界中で祝われています。2024年6月16日は120周年と

    【素面のダブリン市民】第3回 ブルームの日(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
    saebou
    saebou 2024/07/01
    書肆侃侃房ウェブサイトの連載3回目です。『ユリシーズ』の記念日であるブルームの日のイベントレポートです。ダブリン各地で100くらいイベントが行われたそうです。
  • 【素面のダブリン市民】第2回 ダブリンの住宅事情(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    アイルランドでは6月7日にEU議会の選挙があるので、今ダブリンは選挙のポスターがそこらじゅうに貼られています。今回のEU選挙では、これまでと違う点がひとつあります。それはホームレスの人が投票できるようになったということです。 日も含めてたいていの国では、住所が無い人は有権者として登録をすることができず、さまざまな社会保障サービスからも疎外されてしまいます。ところが2022年にアイルランドの法律が改正され、住所不定の人でもホームレスチャリティ団体を住所として投票のための登録ができるようになりました。6月7日のEU選挙は、この法改正以降に行われる大きな議会選挙としては初めてのものになります。住所がなくても投票ができるというのは困窮している人に力を与える施策なので、非常に意義のあるものだと思います。 最悪の住宅事情 このような法改正が行われた理由のひとつとして、アイルランドの住宅事情は最悪レベ

    【素面のダブリン市民】第2回 ダブリンの住宅事情(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
    saebou
    saebou 2024/05/28
    連載第2回です。いかにダブリンの住宅事情がやばいか、EUの選挙や住宅問題を扱った映画、本、博物館、私の経験などをまじえて書いています。6月のEU選挙ではアイルランドでホームレスの市民も投票します。
  • 【素面のダブリン市民】第1回 プロローグ(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ

    皆さんこんにちは。今日から『素面のダブリン市民』の連載を始めることになりました、北村紗衣です。ふだんはシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史を研究している他、映画批評なども書いています。書肆侃侃房からは『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を2019年に刊行し、もとになったウェブサイトwezzyの連載の一部もWeb侃づめのアーカイブにありますので、興味がある方は見て頂けますと幸いです。 『素面のダブリン市民』では、私が1年間、サバティカルで滞在することになったアイルランドのダブリンでの出来事を毎月ゆるくお話する予定です。1年間お付き合い頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。 サバティカルって何? さて、まず上の文章で出てきた「サバティカル」って何?という方も多いと思います。大学で働いたことのない方には全く馴染みのない言葉だと思います。まずはこちらから説明します。 サバティ

    【素面のダブリン市民】第1回 プロローグ(北村紗衣)|書肆侃侃房 web侃づめ
    saebou
    saebou 2024/04/27
    ダブリンのサバティカル生活をゆるーく綴るブログを書肆侃侃房ではじめました。暮らしに関する話を中心にいろいろなことを書く予定です。
  • 第43回 詩人のように翻訳し、翻訳者のように創作せよ──パートI:翻訳とアイスランド語の未来(吉田恭子)|書肆侃侃房 web侃づめ|note

    第43回 詩人のように翻訳し、翻訳者のように創作せよ──パートI:翻訳とアイスランド語の未来(吉田恭子) 翻訳という乗り物を前進させる推進者らは同床異夢であり、かならずしも同じゴールを見据えているとは限らない。起点言語側の原作者、編集・出版社をはじめ、目標言語側の翻訳者に編集者、出版社、そして出版を助成するさまざまな組織まで、思惑はそれぞれである。なんといっても、乗り物の原動力が戦争と紛争なのだから。 近年アメリカで外国語学習の要請が飛躍的に高まったのも2001年の同時多発テロとその後のアフガン・イラク侵攻がきっかけだった。以前は外国語を必修としなかったアメリカの大学で軒並みカリキュラム改定が起こった。あるいは、ドナルド・キーンのように、第二次世界大戦中の情報収集を目的とした日語学習が文学研究・文芸翻訳へ繋がる例を考えてもいいかもしれない。今日英米での文芸翻訳ブームの背後には、英語圏の根

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  • 【試し読み】北村紗衣「理想宮か、公共彫刻か?――『アナと雪の女王』」(『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』より)|書肆侃侃房 web侃づめ

    【試し読み】北村紗衣「理想宮か、公共彫刻か?――『アナと雪の女王』」(『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』より) なぜ私はディズニーが嫌いなのか 前のシンデレラに関するエッセイをお読みになった方ならなんとなくおわかりかと思いますが、私はディズニーが好きではありません。このエッセイでは新しいディズニープリンセス像を提示した作品として、二〇一三年に制作された『アナと雪の女王』を分析していきたいのですが、その前になぜ私はディズニーが嫌いか、ということを少しだけお話ししておきたいと思います。 私がディズニーを嫌いなのは、ディズニーはシンデレラや白雪姫など、人類共有の遺産としての民話や古典を再利用しまくることでお金を稼いできたのに、他のクリエイターにはなかなか自分の著作物を自由に使わせたがらないからです。一九二八年に登場したミッキーマウスはもうとっくにアメリカでの著作権が切れて他の芸術家が使えるキャラ

    【試し読み】北村紗衣「理想宮か、公共彫刻か?――『アナと雪の女王』」(『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』より)|書肆侃侃房 web侃づめ
    saebou
    saebou 2019/05/24
    このエントリ https://saebou.hatenablog.com/entry/20140515/p1 にちょっと『グリンチ』とかの話を入れてアップデートしたものです。
  • 【試し読み】北村紗衣「まえがき 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門」から抜粋(『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』より)|書肆侃侃房 web侃づめ

    【試し読み】北村紗衣「まえがき 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門」から抜粋(『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』より) 楽しむ方法を見つける 私は一年に百くらい映画映画館で見て、かつ百くらい舞台も劇場で見ます。その全部について簡単な批評を書いて自分のブログにアップしています。また、一年に二六〇冊くらいを読みます。 おかしいですよね。いくらなんでも多すぎます。大学教員なので、昼は授業をしています。でも、私の仕事は単に出勤して授業時間に話すだけではありません。きちんと研究して、その成果を授業で学生に還元しなければなりません。そのために映画や舞台を見たり、を読んだりするので、まあこういうのは仕事の一部としてやっています。 でも、これだけたくさん見たり読んだりするのは、仕事だからというだけでは無理です。楽しくないと続けられません。私が年間百ずつ映画と舞台を見る生活を続けられるの

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