なぜ日本企業は存在感を失ったのか。コンサルタントの山口周氏は、「現代社会ではソリューションの価値が低くなっている。言い換えれば、日本企業は“役に立つ”を追求してきたが、いまは“意味がある”が求められている。そうした時代に必要な発想こそが『センスメイキング』だ」と指摘する――。 連載『センスメイキング』の読み解き方 いまビジネスの世界では、「STEM(科学・技術・工学・数学)」や「ビッグデータ」など理系の知識や人材がもてはやされている。しかし、『センスメイキング』(プレジデント社)の著者クリスチャン・マスビアウは、「STEMは万能ではない」と訴える。 興味深いデータがある。全米で中途採用の高年収者(上位10%)の出身大学を人数別に並べたところ、1位から10位までを教養学部系に強い大学が占めたのだ(11位がMITだった)。一方、新卒入社の給与中央値では理系に強いMITとカリフォルニア工科大学が