仙台市青葉区で昨年6月、母親=当時(75)=を自宅で殺害したとして、殺人罪に問われた長男で無職、大井幸雄被告(44)の裁判員裁判の判決公判が22日、仙台地裁であり、川本清巌裁判長は「生活が極限まで困窮した状態でも、母親をいきなり殺害する気持ちは理解できない」と述べ、懲役11年(求刑懲役14年)を言い渡した。 判決理由で川本裁判長は「犯行後、母親の口に張ったテープをはずすことなく放置したのは悲しいこと」と指摘した。 判決後の記者会見で、裁判員を務めた宮城県石巻市の男性会社員(60)は「(6人中5人と)女性裁判員が多く、評議では温かみのある言葉が多かった」と振り返った。判決によると、被告は昨年6月28日、自宅マンションで、母親の三和子さんの口に粘着テープを張り、鼻と口をタオルでふさいで押さえ付けるなどして窒息死させた。