政府が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の3島を地権者から購入し、国有化してから11日で丸5年を迎える。国有化前、東京都の石原慎太郎知事(当時)が都有地として購入する意向を示し、都には約14億8000万円の寄付金が集まった。だが、基金化された約14億円は国有化で使い道がなくなり、金融機関に「塩漬け」にされたまま。都総務部の担当者は「都民らからお預かりした貴重な財産を有効に使いたいのだが……」と頭を抱えている。 【空から見た1970年の尖閣諸島】 尖閣諸島は1895年に明治政府が日本領土(沖縄県)に編入。第二次世界大戦後は米国の施政権下に入り、1972年に沖縄とともに返還された。前後して周辺海域で石油資源埋蔵の可能性が指摘され、中国と台湾が領有権を主張している。 返還後、漁船などの領海侵犯が多発するようになり、2010年9月には中国船と海上保安庁の巡視艇の衝突事件が発生。石原元知事は12年4月、ワシン