[Part1] 増加する宇宙ごみ 監視へ動く国際社会 宇宙で今、大きな問題になりつつあるのが「スペースデブリ」と呼ばれる宇宙ごみだ。米航空宇宙局(NASA)が電算処理して公表している画像は、まるで無数のカビの胞子が地球にまとわりついているように見える。 宇宙ごみの実体は、寿命の尽きた人工衛星やその部品、ロケットの残骸、破片など。大きさも種類もさまざまだ。 宇宙ごみは、小さな破片からこんな「粗大ごみ」までさまざまだ photo:US AIR FORCE NASAで宇宙ごみ対策の責任者を務めるニコラス・ジョンソンによると、観測可能な直径10cm以上のものだけでも約1万9000個。直径1mm以下の微少ごみも含めると数千万個に及ぶ。 問題は、こうしたごみが地球のまわりを高速で周回していることにある。人工衛星が密集する高度2000km以下の低軌道だと、ごみのスピードは鉄砲の弾より速い秒速8kmに達す