手にして目の前にかざせば、植物の微細な毛先や、種子の形状がいつまでも変わらない姿で、透明キューブの中に浮かんでいます。 私たちは誰も、自然の植物をながめる時、ある時は力強さを感じ、またある時は不思議を想います。また物言わぬ木々や草たちに言葉を感じ、花々の絶対的な美しさに、恐れさえ抱きます。 生命の誕生から38億年という長い年月。植物はその命を次へ、未来へと繋いでゆくために、花を、実を、種を、それぞれ異なる形として磨き上げてきました。 その規則的でストイックなフォルムに。 その大胆で奇抜な機能に。 小さな種子、花、綿毛の先端までにも宿る、深い生命の不思議。その形、そして色に感じる、永遠の美しさ。それに触れた時、私たちは誰も、深いイマジネーションの宇宙に引き込まれます。 植物の種子や実を手にとって眺めた時に感じること。それは、この小さな、それぞれの異なるカタチに凝縮されているものこそ、ひとつの