数々の名作を世に送り出したスタジオ・ガイナックスが、1987年に手がけたSFアニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を紹介する展覧会が開催される。 同作は地球とよく似た異世界にあるオネアミス王国を舞台に、人類初の有人宇宙飛行計画を取り巻く青春群像劇を描いたもの。監督を務めた山賀博之を中心に、当時新進だったスタジオ・ガイナックスの若きクリエイターたちが劇場向けアニメ映画に初挑戦することは異例であり、それまでのアニメ映画とは一線を画す緻密な設定や映像美は業界に驚きをもたらした。 注目すべき点は、完成映像に使われた設定よりも、実際には使われることのなかった制作過程の素材資料が膨大な数に及んだこと。山賀監督は作品にリアルさを出すためには多種多様なセンスが必要だと考え、クリエイターたちの得意分野に合った素材資料をつくらせ、そこからアニメーションを構築するアイディアやデザインのヒントを得た。 本展では