反体制的な方向で熱くなるのはとにかく「楽しい!」ということを圧倒的に分かりやすく示した大傑作。内容的には著者の体験した“佐世保北高校全共闘”の回想記で、タイトルどおり1969年の1年間の出来事を扱っている。映画版は(クドカン脚本にしては珍しく)駄作なのでこの原作を読むべし。 我々団は、運動スタイルは左翼的で思想信条は右翼的という団体である。後者については、例えば本書がその入門用には向いていよう。若い世代に向けて平易な文体で近現代史が解説されている。とにかく日本を悪く云うのは許さん、という今ふうのバカなネット右翼と違ってバランス感覚があるのもよい。 最近は右も左も「今どき右だの左だの古い」と寝ぼけたことを云うが、たいていは自覚がないだけである。古いだなんだと云う前にまず歴史を知るべし。そうすれば、左右対立から自由になるのが本当はいかに難しいかも分かる。浅羽通明は初心者向けにややこしい問題を解