「党の候補者への投票をお願いします」 SNSに投稿された動画で、選挙での投票を呼びかけていたのはインドネシアのスハルト元大統領。2008年にすでに亡くなっている。生成AIを使って作られた動画で、いわば”復活”させられた形だ。 いま、世界各地で、選挙でより多くの票を得ようと、生成AIを利用する動きが広がっている。 何が、どこまで許されるのだろうか。日本の状況は。急速に変化する“AI選挙”を追った。 AIで5言語がペラペラに
日本で公職選挙が近づいてくると、「202X年にもなって投票所に行く必要があるなんて」とか「オンライン投票もいまだにできないなんて」みたいな声をよく聞きます。 [1] 法にも技術にも詳しくない一般の人がそう思うのは自然なことでしょう。オンライン投票ができれば、少なくとも若年層の投票率にはいい影響がありそうです。しかし「現代的で民主的な選挙」の要件をしっかり満たしてオンライン投票を実現するのは、実は技術的にも容易ではありません。 「現代的で民主的な選挙」の要件とは、どういうものでしょうか。現在の技術でオンライン投票を実施すると、その要件はどのように毀損するのでしょうか。私たちはその要件を、本当に理解しているでしょうか。 本記事は、「現代的で民主的な選挙」の要件を振り返り、そこから導かれる「オンライン投票のなにが『難しい』のか」をできるだけ明確にする試みです。そして、議論をその先へ進めるための前
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