時事ネタついでに「マジックサークル」概念についてまえから思っていることを書く。 サレンとジマーマンの『ルールズ・オブ・プレイ』に「マジックサークル」(邦訳では「魔法円」)という有名な概念がある(Salen & Zimmerman 2004: ch.9)。簡単に言えば、ゲームの内外を境界づけているなにかのことであり、この概念によって「ゲームに参加する/ゲームをやめる」という事態が説明される。 ホイジンガ由来の概念と言われる場合もあるが(そして実際サレンとジマーマンはホイジンガから借りたと書いているが)、ホイジンガはなんらかの理論的概念として持ち出しているわけではない。そういうわけで、実質的にはサレンとジマーマンのオリジナル概念だ。 「マジックサークル」の2つの意味 しかし、サレンとジマーマンの記述にしたがうかぎりは、この概念はかなり曖昧だ。少なくとも、明確に区別できる(そしてすべき)2つの意