読みたい本を無料で借りられる図書館は、読書好きには、なくてはならない存在だ。 滋賀県は、県民1人あたりの公共図書館での貸出冊数が7年連続全国トップで、〈図書館先進県〉とされる。折しも今年は「国民読書年」。日頃は本に縁のない人も、図書館に足を運んでみてはいかが。 日本図書館協会の2008年度統計によると、公共図書館は全国に3144館、滋賀には48館ある。貸出数は1位の滋賀が県民1人あたり8・69冊で、2位は東京の8・55冊。全国平均は5・29冊で、滋賀は02年度以降、1位を続けている。 実は、その滋賀も30年前は、県内の公共図書館が5館しかなく、貸出冊数も1人あたり0・6冊で、全国最少レベルだった。県は1970年代後半〜80年代初めに図書館の振興策に取り組み、市町に補助金を出して図書館開設を働きかけた。 80年には、「移動図書館」など先進的な取り組みで知られた東京都日野市の図書館長(当時)を