教室に見立てた会場で、生徒役の参加者が手元のタブレット端末で書き込んだ文字を、教師役が大型のスクリーンに映し出す-。東京都内で5月に開かれた学校向けIT見本市で紹介されたデジタル教科書を使った模擬授業の様子だ。 教科書会社が制作する現行の“デジタル教科書”は紙の内容のほか理科実験や図形展開の動画、英文の音声なども活用できる。生徒が書き込んだ意見を、端末と情報通信ネットワークを通じて共有することで、教員や生徒間のやりとりが活発化すると期待されている。 その一方、与えられる情報が増え、書いたり考えたりする時間が減るのではないかなどの不安もあり、導入には賛否がある。一部の自治体が教材として先行導入しているが、端末なども含め生徒1人数万円超とされる費用が壁となり生徒用の普及は進んでいない。 端末の整備に積極的な自治体もある。茨城県古河市の平井聡一郎・教育部参事は「端末が生徒1人に1台あれば、