中年期に人格の形成が確立の方向に向かう 19世紀後半から20世紀初頭にかけて心理学の発展に大きく寄与したフロイトは、幼児期における心理や人格形成がその人のその後の一生を決める上で重要な役割を演じると主張した。すなわち、幼児期の心理的葛藤が、成人期、あるいは中年期まで続くとともに、人格の形成に大きく影響を及ぼすと考えたのである。裏返して言えば、幼年期にある程度の心理特徴が定まれば、それ以降は比較的安定した心理状態が続くのである。 しかしフロイトの弟子であったが、彼から去ったユングは中年になって人間の心理は大きく変容することがあると主張し、中年期における人間の心理を探求することの重要性を説いた。 なぜかといえば、中年になると職業を持って仕事をして所得を稼ぐようになるし、結婚して子どもを持って家族を形成するので、まわりの人との付き合いが多くなる。子どものことで悩むことがあるし、中年後半になると親
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