著者:ジェイコブ・ソール翻訳:村井 章子出版社:文藝春秋装丁:文庫(416ページ)発売日:2018-04-10 ISBN-10:4167910608 ISBN-13:978-4167910600 国家の繁栄と没落、分ける法則教会法で金貸しが禁じられていた一四世紀のイタリアで、最後の審判を恐れる商人や金融業者が少しでもその罪を軽くするために会計の透明性を高めようとしたという歴史的事実には微笑を誘われる。粉飾のない会計帳簿と生前の罪を告白する懺悔(ざんげ)はまさに表裏一体だったのである。利益と損失の厳密な記録である帳簿は会社の経営や国家の統治の実態を如実に示す証拠になる。不都合な真実は隠蔽したがるのは人間の常だが、赤字だらけの帳簿もその一つだ。財布を握っている者が権力を持つことは自明だが、権力者はしばしば粉飾の誘惑に駆られるようである。本書ではローマ帝国からルネッサンス期のメディチ家、一六世紀
![『帳簿の世界史』(文藝春秋) - 著者:ジェイコブ・ソール 翻訳:村井 章子 - 島田 雅彦による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0ad6107a89cddb6eb01bcfc7f9b848eee4a19c67/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fallreviews.jp%2Fapi%2Fimage%2Fcontain%2F1200x630%2Fhttps%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51ognXr1ZwL.jpg)