2010−11シーズン、チャンピオンズリーグ(CL)決勝。バルセロナがマンチェスター・ユナイテッドを「異次元のフットボール」で破り、ヨーロッパの頂点に立った。この試合、バルセロナのゲームメーカーとして、八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍を見せたのがシャビだ。中でもペドロの先制ゴールを生んだアシストは、シャビの持つインテリジェンスと高い技術が詰まっていた。ペドロの動きに合わせて次々にプレーの判断を変え、フリーで受けられる最良のタイミングでパスを通したのである。ピッチの外ではグアルディオラが監督だが、ひとたび試合が始まれば、シャビがコントロールタワーとして味方を操る。グアルディオラの描くサッカーを具現化する選手、それがシャビである。 シャビが13歳のころ、1人の指導者と出会った。彼の名はジョアン・ビラ。現役時代はクライフとともにプレーし、引退後は14年間にわたりバルセロナの下部組織で監督を務め