ブックマーク / salon.mainichi-kotoba.jp (35)

  • 校閲という仕事の意味を伝える講義 | 毎日ことば

    先日、縁あって大学のゲストスピーカーに呼んでいただきました。 社会学部メディア専攻の授業で、ライターの仕事やジャーナリズムに興味のある学生が対象の実習です。学生が自分自身で取材して新聞を作成したり、冊子の編集を行ったりと「書く」ことについて実地で学んでいます。 大学で話したことは何度かありましたが、少人数のアットホームな雰囲気の中で話すのはこれが初めて。くすっと笑える間違いに頬を緩める表情が見えたり、活発に質問が飛んだりと、とても楽しい授業になりました。 全体的な流れとしては、まず新聞製作や校閲の具体的な手順の説明。そして校閲する上で気をつけるべきポイントを、数字や漢字、慣用句など項目ごとに実例を交え、時には学生自身に考えてもらいながら紹介するのですが、わたしにはこういった機会に必ず伝えたいと思っていることが二つあります。 まず、漢字の形について。自分自身、漢字に関しては入社後に知ったこと

    校閲という仕事の意味を伝える講義 | 毎日ことば
    sampaguita
    sampaguita 2018/10/03
    "情報の中身だけでなく、伝える手段である言葉自体も、人々の書き、話す言葉に影響を与えるという意味で大切に扱うべきものです"
  • ネット媒体の校閲者と話して驚いたこと、共感したこと

    先日「LINE NEWS」の方々に毎日新聞の校閲部について説明させていただく機会がありましたが、それに際し、何人かの部員に仕事のやり方などについてアンケートをとりました。 校閲をする上で心がけていることから校閲を志望した理由... 今回は番外編として、「LINE NEWS」の方々と話してびっくりしたことなどを取り上げます。 LINE NEWSに校閲部が新設されたと聞いた時、異動などの形をとって部署を設置したのかなと思いました。しかし実際は校閲をやりたい!と入社された方ばかりで、身を乗り出して私たちの話を聞いてくださったのが印象的でした。 ネット校閲の現場はいろいろと最先端のやり方があったりするのかなと勝手な想像をしていたのですが、なんとLINE校閲の方々は基的にパソコンの画面上で校閲をするとのこと。我々もウェブサイトに載ったものは画面校閲をしますが、基的には他の人が既に校閲した記事がア

    ネット媒体の校閲者と話して驚いたこと、共感したこと
    sampaguita
    sampaguita 2018/03/16
    "新語はどこまで許容するか、という話も"
  • お店を「借り切る」?「貸し切る」?

    来「貸し切る」は店の側からの言葉だし、「借り切る」は今ひとつ使い慣れない感じがするし……ということで折衷案として挙げた「貸し切りにする」が過半数を占めました。 三省堂国語辞典ではやはり第7版で、「貸し切る」の項目に俗用として「借り切る。『すし屋を貸し切っての宴会』」という、来とは正反対の意味・例文を載せました。 毎日新聞でも「列車の車両を貸し切ることができる福袋」のように、借りる側が「貸し切る」ことになっている記事をちらほら見かけます。こうした使い方がされるのも「貸し切り」や「貸し切る」の方が、「借り切り」や「借り切る」よりも身近でなじんだ言葉だから、ということなのでしょう。 しかし一つの言葉が、貸す側と借りる側の双方から反対の意味で使われるのでは困る場面も出てきそうです。借りる側からの書き方としては、今回のアンケートの結果にも沿い、「貸し切りにする」を使うこととしてよいのではないかと

    お店を「借り切る」?「貸し切る」?
    sampaguita
    sampaguita 2018/03/14
    これなぁ(客は借りるほう)。「募金」や「課金」のような。
  • ミクロン

    厚さわずか「4ミクロン」のかんなくずという書き方。毎日新聞では計量法に基づき、1997年から単位の「ミクロン」は使用せず「マイクロメートル」としています。同様に音圧の「ホン」は「デシベル」、周波数の「サイクル」は「ヘルツ」などとします。注意して置き換えたいです。

    ミクロン
    sampaguita
    sampaguita 2018/01/17
    "「ミクロン」は使用せず「マイクロメートル」" "同様に音圧の「ホン」は「デシベル」"
  • 広辞苑改訂の「舞台裏」を聞いてきた

    記者クラブで2017年12月18日、第7版刊行を18年1月12日に控えた「広辞苑」の担当者、平木靖成・岩波書店辞典編集部副部長を招いての会合があり、これは面白そうだと思って出かけた。 職場では過去の版も保存している 新たな「著者」 今回の改訂では、「著者」の交代があったそうだ。4〜6版で中心になっていた方が今回は健康上の理由もあってできないということで、新たな著者を探さなければならなくなったという。その中で名の挙がった京都大の木田章義さんという方のエッセーを読んで、平木さんは「ぜひお願いしたい」と決めたそうだ。 そのエッセーは「言葉の意味が変化している現場にであうと、変化の現場に居合わせたという驚きと共に喜びがある」とし、「半端ない」という言葉について「そう変化するのかと面白く感じ」、さらに「『すごい』の代用になる」と分析しているという。また、「お世話さま」「おあいにくさま」などの「お

    広辞苑改訂の「舞台裏」を聞いてきた
    sampaguita
    sampaguita 2018/01/12
    "辞書の改訂というと、新たにどんな言葉が加わったかばかりが注目されるが、これだけ版を重ねた広辞苑でも、既存の項目の見直しにかなりの時間と労力が"
  • 平年以下の寒さになる

    寒い日が続き気温が平年を下回ることもありますが「平年以下の寒さになる」というのはどうでしょう。「気温が平年以下になる」ならわかりますが、「気温」を入れずに寒さの程度を表すなら、「平年以上の寒さになる」とするのがよいのでは? 気温が下がれば、寒さの程度は上がるのでややこしいですね。

    平年以下の寒さになる
    sampaguita
    sampaguita 2018/01/12
    "気温が下がれば、寒さの程度は上がる" / 野球の防御率とかもだよなぁ。
  • 「日本産科婦人科学会」と「日本産婦人科医会」

    産婦人科系の学術団体名で、間違えやすいのが「日産科婦人科学会」と「日産婦人科医会」。2文字違うだけなので、取り違えたりつられたりしないように気をつけたいです。

    「日本産科婦人科学会」と「日本産婦人科医会」
  • 初めてプロ野球選手を輩出した

    「初めてプロ野球選手を輩出した」という書き方。「輩出」は使い方が揺れやすい言葉の一つです。単に人材を出すことではなく「すぐれた人物が続々と世に出ること」(大辞林)で、1人の場合にはふさわしくありません。「初めてプロ野球選手を出した」としました。

    初めてプロ野球選手を輩出した
    sampaguita
    sampaguita 2017/12/07
    "単に人材を出すことではなく「すぐれた人物が続々と世に出ること」(大辞林)" / 「を」の方は許容しているのかな。
  • 「プレミア」と「プレミアム」の関係は

    普段は原稿を点検する側にいますが、11月4日付朝刊(東京社版など)の特集面「校閲発 春夏秋冬」(ウェブ版はこちら)では執筆を経験しました。その中の「再思三省」欄でのエピソードを(恥を忍んで)ご紹介します。 同欄は、よくある言葉の誤りなどを三つずつ取り上げて解説するというものですが、今回の三つ目「『ム』の有無にウーム」で、当初の原稿に問題がありました。プレミアという言葉にはプレミアムの略とそうでないものがあるのでしっかり区別しましょう、ということを説明したかったのですが、書いた段階で「プレミア(premiere)ショー」と「イングランド・プレミア(premier)リーグ」のつづりが異なることを見落としていました。これはいけません。 さいわい他のページと同じように、筆者とは別に複数の校閲記者が目を通す体制をとっており、誤りは見逃されることなく紙面化の前に直せました。書き手の意識から漏れたとこ

    「プレミア」と「プレミアム」の関係は
    sampaguita
    sampaguita 2017/12/07
    "大きめの英和辞典を引くとpremiaの項にpremiumの複数形とあります" "小学館「日本国語大辞典」などの国語辞典は「プレミアムの略」と明記"
  • カキとホウレンソウの白あえ

    「カキとホウレンソウの白あえ」。貝のカキなら秋なのでシーズンには早いなと考えながら文を読んだら、「皮をむいて薄く切り」と出てきたので果物の柿とわかりました。牡蠣(かき)のような常用漢字で書けない動植物名は片仮名にしますが、柿は常用漢字なので誤読を避けるために漢字にしました。

    カキとホウレンソウの白あえ
    sampaguita
    sampaguita 2017/11/14
    "シーズンには早いなと考えながら本文を読んだら、「皮をむいて薄く切り」と"
  • ワクチンの接種

    「希望する人が安心して(ワクチンを)接種できるよう取り組む」という書き方は主客が逆になっています。ワクチンの「接種」は日常的な言葉ですが、意味は「ワクチンなどを人体や動物の体内に移植すること」(大辞泉)で、「接種する人」は注射などをする医療者です。「接種を受けられるよう取り組む」としました。

    ワクチンの接種
    sampaguita
    sampaguita 2017/11/10
    「課金」みたいなものか。
  • 「平仮名候補者名」は「過半数を大きく上回る」か?

    漢字の専門家、笹原宏之・早稲田大教授の講演を聴く機会がありました。全体的にとても面白い話でしたが、ちょうど衆院選が終わったばかりということもあり、次の報告に特に興味をそそられました。 by MASA 政策が似通った同姓同名の人たちが選挙に立候補したとします。「笹原宏之」「笹原ひろゆき」「ささはらひろゆき」「ササハラヒロユキ」という表記を見て誰に投票したくなるか、受講生たちに何度か聞いたそうです。どの表記が支持を集めたでしょうか。 年配の人は「笹原宏之」が、大学生は「笹原ひろゆき」が多かったとのことでした。 今回に限らず、候補者名の表記はやたらと平仮名が目立ちます。漢字だけの候補者の方が少ないと思われるほどです。画数が多かったり見慣れなかったりする漢字ならともかく、小学生でも書ける字も平仮名にする候補者が少なくありません。理由として考えられるのは、少しでも書き間違いによる無効票をなくしたいと

    「平仮名候補者名」は「過半数を大きく上回る」か?
    sampaguita
    sampaguita 2017/10/30
    "「笹原宏之」「笹原ひろゆき」「ささはらひろゆき」「ササハラヒロユキ」という表記を見て誰に投票したくなるか、受講生たちに何度か聞いたそうです"
  • 校正・校閲について語り合いました

    東京・竹橋の毎日ホールで2017年9月25日、毎日新聞校閲グループによる「校閲記者の目 あらゆるミスを見逃さないプロの技術」出版記念イベントが開かれ、約160人が来場した。イベントの模様とその後の懇親会について2回に分けて報告する... 前編で報告したが、若手に「うまくいったこと」を尋ねてもひたすら自己評価の低い2人。平山が「例えば、国政選挙のときに、出稿側とは別に校閲独自でデータを集積して選挙システムのバックアップや校閲が調べる時間がないようなときにフォローをする作業があったが」と渡辺に水を向けると「確かに、あれは大変な作業で、それなりに頑張ったなと思う」と話した。 「仕事では直しを入れるけれど、個人的には違和感があるようなことはある? 自分では普通に使うけどというような」と尋ねると、渡辺は「いわゆる『ら抜き言葉』は、標準語の『こんなものべられない』を地元の方言では『こんなもんべれん

    校正・校閲について語り合いました
    sampaguita
    sampaguita 2017/10/12
    "知っているとかえって見逃すようなこともある"
  • 操蛇システム

    「操蛇システム」という間違い。ヘビ使いのシステムのことではもちろんなく、イージス艦の操舵システムのことでした。「蛇」と「舵」の文字がとてもよく似ていて、見逃しそうでした。

    操蛇システム
  • 前防衛相

    最近よく直す間違いです。ゲラの「前防衛相」は稲田朋美氏のことを指します。現職は小野寺五典氏ですが、その間にわずか1週間ですが岸田文雄氏が就いていたので、稲田氏は「元防衛相」になります。

    前防衛相
    sampaguita
    sampaguita 2017/09/13
    "1週間ですが岸田文雄氏が就いていたので、稲田氏は「元防衛相」"
  • ポスターは「張る」か「貼る」か

    サイトの読者の方から「はる」の表記について質問をいただきました。 例えば新聞で「ポスターを張る」と書かれていると、ご質問の方は「貼る」ではないかと違和感があるそうです。 新聞では基的に「張」だった 新聞では、以前はあまり気にすることはありませんでした。常用漢字表に「貼」が入っておらず、ほとんどの「はる」は「張」で書いていたからです。 2010年の常用漢字表改定で「貼(チョウ、はる)」が入り、張との使い分けが必要になりました。毎日新聞用語集ではその目安をこのように書いています。 張……一般用語。取り付ける、広がる 貼……限定用語。のりなどで付ける、付着 それぞれ用例も示していますが、張のうち「氷が張る」などについてはあまり迷わないと思います。使い分けを考える際に用語担当者が頭を悩ませたのはポスターなどを「はる」場合です。 辞書はどう書き分けているか 辞書をいくつか引いてみると、それぞれ項目

    ポスターは「張る」か「貼る」か
    sampaguita
    sampaguita 2017/09/11
    以前は「貼」が常用漢字ではなかったけれど、それだけでなく、辞書でも「張る」が主と。ちょっと意外。
  • 有害な排気ガスの排出

    「有害な排気ガスの排出を減らす」という文。「排気ガス」は定番のダブり表現で「気」と「ガス」が重複するので「排ガス」「排出ガス」などと直すのですが、この文はさらに後ろの「排出」もダブっていました。「有害なガスの排出を減らす」と直しました。

    有害な排気ガスの排出
    sampaguita
    sampaguita 2017/09/07
    "「気」と「ガス」が重複"
  • 紛らわしい「小」と「少」

    東日は8月は雨続きだったため、7月から8月にかけて各地で取水制限があったことなど記憶のかなた、なのですが、7月には中部地方向けにも渇水への注意を告げる原稿が出ました。 「○○ダムでは小雨が続けば9月中に枯渇する可能性があることも……」 ん? 小雨だろうと雨が続けば水不足ということはなさそうです。ここは「少雨が続けば」とすべきところ。「小雨」と「少雨」、どちらも「しょうう」と読みますが、 【小雨】 少し降る雨。こさめ。 【少雨】 一定期間内に雨の降る量が少ないこと。 「広辞苑」第6版 と、はっきり異なる意味を持つ言葉です。「小雨」の方はもっぱら「こさめ」と読みますから、日常的には間違えることはないと思いますが、ワープロ入力の誤変換はものの弾みで起こりそうです。 「小」と「少」は、それぞれ「ちいさい」「すくない」という言葉に対応していますが、その線引きは意外に曖昧で、ちょっとしたことから入れ

    紛らわしい「小」と「少」
  • 1億2500億ドル

    1億2500億ドルという間違い。これは言われてみればすぐにわかるのですが、なぜかたまにあらゆる人の目を通り抜けてしまう恐ろしい間違いです。この間違いを見つけると、初心を忘れるなと言われているような気がします。

    1億2500億ドル
    sampaguita
    sampaguita 2017/08/02
    "なぜかたまにあらゆる人の目を通り抜けてしまう"
  • 「余震」に注意

    地震の多さは相変わらずの日列島ですが、某所で震度5の地震が起きた際のこと。記事に「○○で震度5強/1週間は余震も」という見出しが付いたので、校閲から注文を付けました。「済みません、この『余震も』というのは『警戒を』とか違う感じにできませんか?」 見出しを付けた整理記者は「あれ? 余震って使っちゃ駄目なんだっけ」と少し不思議そうな顔。こちらは重ねて言いました。「『余震』という言葉を使ってはいけない、ということではないですし、ルールとして決めたわけではないのですけれど、注意を呼びかける文脈では使わないようになってきているんです」 きっかけは2016年4月の熊地震です。皆さんご存じの通り、熊地震ではまず大きな地震が起きたにもかかわらず、2日と置かずに更に大きな地震が起き、被害をより深刻なものにしました。 政府の地震調査研究推進部ではこれを受け同年8月、「大地震後の地震活動の見通しに関する

    「余震」に注意
    sampaguita
    sampaguita 2017/08/02
    "より大きな地震、あるいは、より強い揺れは発生しないというイメージ"