平野貞夫元参院議員は27日の衆院政治改革特別委員会に参考人として出席し、領収書不要の「内閣官房報償費」(官房機密費)について、自身が前尾繁三郎衆院議長(在任1973~76年)の秘書を務めていた頃、前尾氏の私邸に「盆暮れの対策」として一定額が届けられていたと明らかにした。 参考人質疑は政治資金規正法改正論議の一環として実施。平野氏は機密費の使途について問われると、政界入り前に衆院事務局職員として前尾衆院議長の秘書を務めたと説明し、「突然、官房長官が議長の私邸に一定の額、盆暮れの対策として機密費を(現金で)持ってきた」と語った。前尾氏は官房長官が帰った後、「こういうことするから民主主義が育たない」と語り「廊下に(現金を)ほっぽり出した」という。 対応に困った平野氏は現金を袋に入れて国会に持ち帰り、当時の上司に相談した。上司は「4~5年前からそんなことがあるらしい。やらないわけにはいかないから、
枯れたことがない「天王様の井戸」の底からは、あるはずの水が消えていた=岐阜県瑞浪市で2024年5月21日午後3時39分、真貝恒平撮影 井戸の底に浮かび上がる幾多のひび割れは、水源に恵まれた地域に走った衝撃を物語っていた。JR東海が進めるリニア中央新幹線事業の前に立ちはだかるのは、静岡県の水問題だけではない。リニアのトンネル掘削工事が行われていた岐阜県瑞浪市では2月、個人用の井戸やため池など計14カ所の水位低下が発覚した。瑞浪市の現場を歩くと、水枯れした井戸を前に立ち尽くす住民の姿があった。【真貝恒平】 <主な内容> ・井戸は信仰と豊かな水源の象徴 ・トンネル工事一転「即時中断」 ・「リニアのメリットない」 ・JR東海の対応「検証が必要」 名古屋市中心部から車で約65キロ。今月21日、いくつかの山あいを抜けると、のどかな田園風景が広がる盆地の瑞浪市大湫(おおくて)町にたどり着いた。稲が植えら
休憩を挟んで計40秒のスプリント(全力運動)を実施すると、酸素の消費量や太ももの筋肉の活動が大きく増加することを早稲田大などの研究チームが明らかにした。研究結果は米スポーツ医学会誌で発表された。世界保健機関(WHO)は週150分以上の有酸素運動などを推奨しているが、多忙な現代人の間で「タイパ」(タイムパフォーマンス、時間対効果)を意識した運動は注目を集める可能性がある。 近年、休憩を挟んで短時間の全力運動を繰り返すことの効果を確かめる研究が盛んに行われている。研究チームは今回、メカニズムを詳しく調べようと、自転車型の装置を使って運動効果を測定した。
バイデン米政権は10日、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘で、イスラエル軍が米国から供与された武器を国際人道法に違反する形で使用した疑いがあるとの報告書を議会に提出した。一方で、違反を認定するには十分な情報がないとして断定は避けた。武器供与の継続も可能となる。 バイデン大統領は2月、イスラエルへの国内外の批判の高まりを受け、米国から武器の提供を受ける国に対し、国際法を順守して使用していることを示す「確約」の提出を義務付けた。違反が認定されれば、武器供与の一時停止を含む措置が検討されることになっていた。これを受け、イスラエルは3月に書面を提出し、米国が調査していた。 報告書は、イスラエルが米国製の武器を国際人道法の義務に違反する形で使用したと評価するのが「妥当だ」と指摘。「イスラエル軍が市民の被害を減らす知識や経験などを持っているにもかかわらず、多くの市民の犠牲が出ている」とイスラエルの対応に
イスラエルのエルダン国連大使は10日、国連総会の壇上でパレスチナの加盟を支持する決議案に反対する意思を示すため、小型のシュレッダーを使って国連憲章を細断した。国連の基本文書である国連憲章は、「国際の平和と安全を維持する」など設立の理念や加盟国の権利などを定めている。 エルダン氏は決議案の投票に先駆けた演説で、各国の大使らに向かって「あなたたちは現代のナチズムに国連を開放した」「(イスラム組織)ハマスによる将来のテロ国家に特権を与えようとしている」などと批判した。最後に携帯用のシュレッダーを持ち出して国連憲章の表紙を切り刻むと、「恥を知れ」と吐き捨てるように言って壇上を後にした。 国連のハク副報道官は同日、加盟国大使による個別の言動にはコメントしないとしつつ、「今も昔も加盟国による芝居がかったプレゼンテーションはあった」と言及。国連憲章の冊子を手に取り、「国連憲章の理想は無傷だ。この組織が存
幼い子どもを持つ親を「子持ち様」とやゆし、強く批判する声がSNS(ネット交流サービス)上で広がっている。子持ちであることを理由にした振る舞いが非常識だったり、周囲に迷惑だと受け止められたりするケースが多いが、これほどまで嫌悪される背景に何があるのか。 SNSの書き込みに賛否 「子持ち様が『お子が高熱』とか言ってまた急に仕事休んでる。部署全員の仕事が今日1・3倍ぐらいになった」。2023年11月、X(ツイッター)のユーザーがそんな投稿をしたところ、表示回数が3000万回以上に上り、賛否両論が巻き起こった。 また、同4月にスープ専門店「スープストックトーキョー」が全店で離乳食を無料で提供すると発表した際には、「提案者が子持ち様なんだろうな。もう行かない」「ただでさえ狭くてカウンターしかない店舗も多いのに、ベビーカーで突撃されたらたまらんわ。さよならスープストックトーキョー…」などの反応が寄せら
毎日新聞は20、21の両日、全国世論調査を実施し、次の衆院選で政権交代してほしいか尋ねたところ、「政権交代してほしい」が62%で、「政権交代してほしくない」は24%にとどまった。「わからない」も13%あった。 昨年11月以降、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が深刻化。岸田内閣の支持率は2月に14%まで下落した。4月は20%台を回復したものの、10カ月連続で30%を下回っており、厳しい政権運営が続いている。 調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯519件、固定513件の有効回答を得た。【野原大輔】
米地質調査所(USGS)によると、東部ニュージャージー州で5日午前10時20分(日本時間5日午後11時20分)ごろ、マグニチュード(M)4・8の地震があった。ニューヨーク市を含む東部から北東部にかけて揺れが観測され、CNNなど主要放送局は現地からの中継で速報を流した。地震の発生自体が珍しく、米メディアによると、周辺地域で観測された地震としては過去140年で最大規模という。 現地時間の5日夕時点で大きな被害は報告されていない。震源から約70キロ離れたニューヨーク市在住のクレア・ガルシアさん(23)は「家の洗濯機がガタガタ揺れたと思ったら地震だった。普段慣れていないからびっくりした」と話した。 市中心部マンハッタンにある国連本部で行われていた安全保障理事会では、パレスチナ自治区ガザ地区の情勢をめぐる演説が中断され、時間を置いて携帯電話から警報が何度も鳴り響いた。米メディアの記者は揺れについて「
パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルへの戦闘を開始しました。
摂取した人からの健康被害の報告が相次いでいる小林製薬の紅こうじのサプリメントは、国に届け出たうえで「コレステロールを下げる」と表示していた。こうした健康食品は機能性表示食品と呼ばれる。安倍晋三元首相の成長戦略「アベノミクス」の一つとしてできた制度で、スタート時から安全性が担保されるのか懸念されていた。 「トクホ(特定保健用食品)の認定を受けなければ効果を商品に記載できないのでは金も時間もかかり、中小企業などのチャンスが閉ざされる」。2013年6月、安倍首相(当時)が規制緩和を表明した。その2年後の15年4月、機能性表示食品がスタートした。 トクホは、国が有効性や安全性を審査する。これに対し機能性表示食品は、…
宝塚歌劇団の劇団員の女性(当時25歳)が昨年9月に死亡した問題で、遺族は27日、「訴え」と題したコメントを発表した。発表した遺族は、女性の妹で現役の歌劇団員。全文は次の通り。 ◇ 私は遺族として、大切な姉のため、今、宝塚歌劇団に在団している者として想(おも)いを述べます。 いくら指導という言葉に置き換えようとしても、置き換えられない行為。それがパワハラです。 劇団員は宝塚歌劇団が作成した【パワーハラスメントは一切行わない】という誓約書にサインしています。 それにもかかわらず、宝塚歌劇団は、日常的にパワハラをしている人が当たり前にいる世界です。 その世界に今まで在籍してきた私から見ても、姉が受けたパワハラの内容は、そんなレベルとは比べものにならない悪質で強烈に酷い行為です。
打ち上げに成功したH3ロケット2号機=鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで2024年2月17日午前9時22分、吉田航太撮影 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日午前9時22分、新型主力ロケット「H3」2号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射した。JAXAによると、機体は予定の高度約680キロに到達し、搭載した超小型衛星の分離に成功した。 新たな国産主力機のデビューは1994年のH2ロケット以来となる。H3は2024年度中に退役予定の現行の主力機「H2A」に代わり、今後20年間の日本の宇宙輸送の中心を担う。宇宙ビジネス拡大で需要が増す国際的な衛星打ち上げ市場で、競争力確保を目指す。 JAXAは14年からH3の開発を始め、23年3月に初号機を打ち上げた。ところが、電源系統の不具合で2段目エンジンに着火せず失敗に終わった。共同開発する三菱重工と共に、部品の絶縁を強化するなどの再発防止
警視庁公安部が経済産業省に提出した温度実験データのグラフ(上)と、毎日新聞が入手した実際のデータのグラフ(下)。提出分は測定温度が低かった折れ線1本が除外されていた。(提出に当たって調整されたため、測定箇所の名称や計測時間の目盛りが二つのグラフで異なる) 軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反に問われた化学機械製造会社「大川原化工機(おおかわらかこうき)」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、同社の噴霧乾燥器の温度実験を巡り、警視庁公安部が実験データを一部除外して経済産業省に報告していた疑いがあることが判明した。立件には、経産省から「輸出規制品に該当する」との見解を得る必要があったが、伏せたデータ分は輸出規制品の基準に達しておらず、公安部にとって不利な証拠だった。 大川原化工機側が起こした国家賠償訴訟で、2023年12月の東京地裁判決は公安部と東京地検が捜
パレスチナ赤新月社は10日、パレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市で、1月下旬に砲火の中で車に取り残された少女(6)の遺体が見つかったと発表した。同乗していた親族6人は全員死亡したが、少女は1人だけ生き残り、赤新月社に電話で助けを求めていた。公開された通話の録音は海外メディアなどで広く報じられ、安否に注目が集まっていた。 少女はヒンド・ラジャブさん。1月29日に親族と車で移動中、イスラエル軍による攻撃にあったとみられる。赤新月社は同乗していた別の少女(15)から救助を求める通報を受けたが、この少女は通話中に銃撃されて死亡したとみられ、連絡が取れなくなった。一方、1人だけ生き残ったラジャブさんは車内から3時間あまり通話を続け、「ここから連れ出して」「暗くなってきた。怖い」などと訴え続けた。
インフレによるダメージが最も大きい年代は年金生活者だが、消費を最も活発化させているのも年金生活者だった--。三井住友信託銀行が世代や年収ごとの消費傾向を踏まえ、インフレダメージの大小と消費支出の変化を分析したところ、意外な結果が出た。同行は「悲壮感漂う年金生活というわけではなさそう」とみている。 インフレ発生前の2020年と足元の23年(1~10月)を比べると、消費者物価指数(CPI)は5・3%上昇した。しかし、これはいわば「平均値」。物価の上昇は品目によってバラツキがあり、単身か2人以上かといった世帯の形態や世代、年収によっても、家計が受ける実際のインフレダメージは異なる。 そこで、世代別の消費傾向を加味して仮想的にCPIの上昇率を算出したところ、20代以下の4・5%増に続いて、30代は5・3%増▽40代5・2%増▽50代5・3%増▽60代以上6・2%増▽年金生活者は6・9%増――となり
警視庁前に掲示された桐島聡容疑者を指名手配するポスター=東京都千代田区の警視庁で2024年1月26日午後5時11分、猪飼健史撮影 1974~75年の連続企業爆破事件のうち一つに関与した疑いがあるとして指名手配されている過激派「東アジア反日武装戦線『さそり』」メンバーの桐島聡容疑者(70)とみられる男性が神奈川県内で建設関係の仕事に就いていたことが、捜査関係者への取材で判明した。本人しか知り得ない情報を話しているといい、警視庁公安部は桐島容疑者本人の可能性が高いとみているが、県内の病院に入院中で重篤な状態という。公安部は任意で調べを進める方針。 捜査関係者によると、桐島容疑者とみられる男性は職場の同僚に付き添われ、来院した。入院したのは1月に入ってからで、健康保険証や運転免許証など身分を示す物は所持しておらず、自費で診療を受けているとみられる。
能登半島地震で被災した石川県の津波と地震の被害想定が大きく食い違っていることが明らかになった。地震だけ見直しが見送られ続けてきたためだ。今回の地震を起こした海底活断層は長年、その存在が指摘されてきた。見送りにどんな事情があったのか。 <スクープ>石川県、M7.0地震想定、四半世紀見直さず 津波は震災後に変更 なぜ、石川県は地震想定を四半世紀見直さなかったのでしょうか。検証しました(全2回の1回、2回につづく)。 第1回・「何とかなると…」 地震想定を見直さなかった石川県の「思い込み」 第2回・能登半島は「空白地帯」 地震調査委、活断層評価が後手に 【図解】能登半島の活断層 群発地震のイメージ 「家が潰れたかと思った。ここまで大きい地震は想定外。『すぐ避難』以外に備えは考えていなかった。行政からの注意喚起みたいなものは印象にないし、学者さんも慎重な物言いが多い」 輪島市の自宅で被災した、地域
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