東武鉄道と新東京タワーは,現在の東京タワーに代わって地上デジタル・テレビ放送などの電波塔となる新タワー(仮称:すみだタワー)のデザインについて,事業者案が決定したと発表した。デザインは「日本の古代建築を意識したものになった」(設計を担当した日建設計 代表取締役社長の中村光男氏)という。 新タワーは,東京都墨田区の押上地区と業平地区の間にある東武鉄道の所有地に建設されることが決まっている(関連記事)。タワーの高さは610m。地上から350mと450mの地点にそれぞれ展望台を設ける。今回のデザインで,「心柱」と呼ぶ鉄筋コンクリート製の中心軸と,心柱を取り巻く編み籠状の鉄骨による「塔体」から成る構造を採用した。 デザインを監修した,彫刻家で元・東京芸術大学学長の澄川喜一氏によれば,この構造は,これまで地震による倒壊を免れてきた京都の東寺や奈良・法隆寺の五重塔の構造と同じだという。心柱と塔体の相互