感情認識技術に科学的根拠はほとんどなく、人々の人生に影響するような判断に使うのは禁止すべきだ——。AIナウ(AI Now)研究所は年次報告書でこう指摘している。 感情認識技術の市場は活況を呈している。機械が人間の感情を理解できるという根拠がないにもかかわらず、市場は少なくとも200億ドル規模になると予測され、急速に成長している。同技術は現在、就職希望者や犯罪容疑者の評価に使用されており、ゲーマーの心理状態を推論するためのVR(実質現実)ゴーグルといったさらに進んだ適用も試みられている。 さらなる問題として、感情認識は人種や男女の格差を拡大する場合があるという証拠もある。AIナウの報告書は、規制当局者が介入して感情認識技術の使用を厳しく制限すべきであり、それまではAI関連会社は同技術の採用を中止するべきだと記している。特に、顔の表情だけを利用して人がどう感じているかを正確に知るのは非常に難し