フロリジン(Phlorhizin)はジヒドロカルコンの一種で、フロレチンとグルコースがグルコシド結合でつながった2'-グルコシドフロレチンである。小腸や腎臓に存在する糖輸送体を強力に競争阻害する。セイヨウナシやリンゴ、サクランボなどの植物の樹皮に含まれ強い苦みを持つ。カーネーションの花びらの色にも関係している[1]。 歴史[編集] 1835年、フランスの科学者によってリンゴの根の樹皮から抽出された。当初はキニーネと同じように解熱薬や抗炎症薬、抗マラリア薬として比較的少量の投与が行われていたが[2]、人体に大量に投与すると尿中にブドウ糖が排出される腎性糖尿状態になることが、やがて知られるようになった[2]。20世紀初頭には、フロリジンを投与して人工的に腎性糖尿状態とした犬が、各種動物実験に用いられた[2]。 生化学的性質[編集] フロリジンとその類似体は糖輸送体のSGLT1を強力に競争阻害す
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