昨年8月8日午後5時前のことだ。奈良県と大阪府で「最大震度6弱~7程度の揺れが襲って来る」という緊急地震速報が発表された。 JRの大阪駅ホームなどでは乗客の携帯電話から緊急地震速報メールの受信音が一斉に響いた。関西ではめったになかった緊急地震速報だけに、パニックになりかけた人たちもいたという。速報は震度4以上の揺れが到達すると予測された関東甲信から九州の34もの都府県で発表された。 この速報を受けて小田原から新岩国間で新幹線が緊急停止した。関西の鉄道各社も全列車を止めた。近畿だけで40万人超に影響した。帰宅ラッシュと重なったためターミナル駅も大混雑した。 鉄道だけではなかった。この速報が伝わったとたん、円は一時1ドル=96円13銭近辺まで上昇した。 しかし、この緊急地震速報は誤報だった。 地震は和歌山県北部に起きた震度1にも満たないマグニチュード(M)2・3の小地震だった。これを気象庁はM