【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスの集団感染が発生した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」をめぐり、感染拡大を防止する義務が船籍国と寄港国のどちらにあるのか国際的なルールが明確になっていない実態が浮き彫りになっている。船内で集団感染が起きた場合の責任の所在について、法律や危機管理の専門家の間でも意見が分かれている。 ダイヤモンド・プリンセスは英国船籍だが、対応の責任は日本が担ってきた。海洋問題を専門とするアンドリュー・リー弁護士は「ダイヤモンド・プリンセスで起こった状況について英国に法的責任があった可能性は低い」と述べた。 さらに、リー氏は、集団感染などの重大な問題を抱える船が先進国の領海に入った場合、「その国が何の対応もしなければ大きな非難に直面しただろう」と指摘する。ダイヤモンド・プリンセスは新型コロナウイルスの感染が発覚した2月1日時点で那覇に寄港していたことから、日本政