大阪府咲洲庁舎展望台から望む大阪市此花区の埋め立て地「夢洲」(写真中央)。カジノを含む統合型リゾート施設だけでなく、大阪が誘致に成功すれば2025年の万国博覧会の予定地にもなるという(撮影/編集部・大平誠)この記事の写真をすべて見る 教育費無償化を公約に掲げて実行するなど成果を上げる一方で、厳しい管理で教育現場の疲弊を招いた維新の「教育改革」とは──。 * * * 大阪府立高校で40年近く教鞭を執ってきた2人の男性ベテラン教員が、目の前にいた。一人は理科、もう一人は社会科。何千という教え子を、これまで世に送り出してきた。学力を伸ばすのはもちろんだが、個々の生徒が協力し合う中で、自身の才能や生きる道を探し出す手助けをすることが、教師の本分だと思ってきた。職員会議でも意見を出し、式典の在り方も生徒と一緒に考える。しかし、周りを見渡せばいつの間にかそんな発言すら憚られるような雰囲気が、職場を