米国が「不法入国・滞在」だとして国内の勾留施設に収容中の移民が二〇〇八年には常時三万人と、十二年前の三倍になり、劣悪な状況に置かれていると問題になってます。 人権団体「アムネスティ・インターナショナル米国」が三月下旬に発表した報告書「司法手続きなき投獄―米国の移民勾留」によると、毎年合計三十万人以上が米出入国管理当局によって勾留施設に送られています。その84%が訴訟のための法的援助を得られず、何万人もの人が勾留の正当性を問う審問さえ受けていません。 勾留される「不法移民」には、出稼ぎで入国した低賃金労働者のほか、亡命希望者、拷問・虐待から逃れてきた人、人身売買の犠牲者などもいます。 強制送還か否かの結論が出るまで数カ月、あるいは数年間かかり、その間は勾留されたままです。保釈金は高額で、支払い能力を超えています。勾留者の67%が州・郡刑務所に収容され、刑事犯罪人と同室にされる例も少なくありま