米国商務省の統計雑誌 Survey of Current Business の08年7月号が先日届いた。日本国内ではあまり関心をもたれていないが、その中に5月の所得、消費と貯蓄についての面白いデータが出ている。米国の個人貯蓄率が急上昇しているのだ。はじめにデータを紹介しよう。比較のため1年前の5月の数字と並べて書き出した。(数字は年率に換算したもの。)ここから不況に突入したと見られている米国経済の本当の姿が垣間見られる。 減っていない米国の個人所得 先ずは収入だが全体として6.4%とインフレ率(4.2%)を上回る収入増が見られる。景気後退とインフレ加速で米国人の実質収入は減っているように言われているが、今までのところはプラスの成長を維持している。勿論雇用増の効果もあるので1人当たり平均の収入ではマイナスの可能性もある。このうち大きな伸びが見られるのは公的移転所得で、これには年金などに加えて