日本有数の米どころとして知られる秋田県。1984年に誕生した「あきたこまち」は、日本穀物検定協会が発表する米の食味ランキングで幾度も最高評価の「特A」を獲得し、秋田のみならず日本を代表する米として名をはせている。だが、秋田の米は、「あきたこまち」だけではない。2015年秋には「秋のきらめき」「つぶぞろい」の2品種がデビュー。ほかにも「ひとめぼれ」「ゆめおばこ」「めんこいな」「淡雪こまち」と、秋田米のバリエーションは豊富だ。なぜ、「あきたこまち」という強力な品種がありながら、新品種の開発に取り組んでいるのか? JA全農あきた米殻部参与・児玉徹氏に聞いた。 「あきたこまち」を主軸に、ニーズの多様化に対応 「秋田のお米といえば?」と聞かれれば、ほとんどの人が「あきたこまち」と答えるだろう。実際、秋田県内で生産されるお米の80%以上を「あきたこまち」が占めている。透明感があり、ツヤも良く、香りも豊