態度のでかいウサギを今年もよろしくお願いします。
態度のでかいウサギを今年もよろしくお願いします。
企業研究所と言うのは、学生さんがイメージしてる、かっこいい、基礎研究ばかりをしてる場所ではありません。いまの日本国内では、そういう場所はごく限られています。それよりも、会社のなかで、みんながこまったな、どうしよう、もう知恵ふりしぼっても、もう、何も思いつかない、と思ってることを解決するとか、その糸口を与えるという役割もあります。最近、そういう仕事が来るようになって(頼られてありがたいと思うべきでしょうが)、色々しんどいですが、まあそういうことです。他の人が誰もできないことをやる、というのは言葉で書くとかっこいいですが、実際は、とても言葉遣いに気を使います。あと、どういうオチをつけたらいいんだろう、とか、特に夜に仕事をしているときに悩みます。そして、まず製品がよくなることが第一です。というより、もっと言うと、修士課程の学生が1年かける修士論文クラスの話は、1ヶ月〜3ヶ月ぐらいで終わる日常茶飯
http://d.hatena.ne.jp/cafebabe/20091219/1261194304えーと。所属は研究開発とゆーことになってても、本人のやってることが研究、開発どちらにも該当しない人ですら、結構研究開発職です(キリッ!)とか言えちゃうのが日本企業クオリティです。これは本人の認識不足だけではなくて、日本企業の場合本人の責任範囲が曖昧で、年次どころか人によって引き受けられる責任と仕事の質と量がばらばら、具体的なjob descriptionが存在しないからだと思います。ただ、よくよく周りを見ているとなんとなく役割分担はされていて、研究テーマ、問題そのものを立案する人その問題に仮説を与え、解決方法を考える人解決方法に従って実験、解析を実行する人(パシリ)とゆー順番で、ゆるい役割があります。1〜3を全部一人でやる人もいますし、3しか出来ない人もいます。研究や開発のやり方は、あんまり
大量に書類を書くよ研究開発は、まるで大学の実験レポートとか宿題のよーに、大量に実験データをとって大量にグラフを描いて、精査して、報告書とか書類をごりごり書くのが仕事です。大学院のときのhttp://d.hatena.ne.jp/tsugo-tsugo/20090609を彷彿とさせるぐらい書きます。あと、プレゼンテーション。製品部に成果を報告するスライド、自分とこで何やってるかを説明する広く使えるスライド、学会用のスライド、なんかとにかくたくさん作りますよ。そして何度も上から指摘され、修正します。ぐすん。いやいや、だからこそ、仕事上指摘されたこと、注意されたこと、仕事上の議論は自分の人格とは関係ない、と切り分けないと精神が持たないのです。 だけど、実験データは要点だけ抑えてあとは捨てたりするよものづくりでは、世の中に安全な製品を送り出すために、わざわざ製品を苛酷な環境、運転状況に突き落として
id:pollyannaさんのブログを読んでて、色々考えたことをまとまらないまま書いてみる。話せる話題のタブーは少ないほうがいいじこしょうかい。私の出身高校は工業高校です。高校以降、男女比9:1みたいな世界にずっといます。いやBUだけが例外で、そこでは男女比3:2ぐらいでした。工学部に女性が少ないってのはアメリカ含む海外でも似たよーな傾向ですが、アメリカで決定的に違うなと思ったのは、女性が話してはいけない話題、タブーが殆ど無いことでした。たとえば、NASA、アメリカ軍の最新兵器の話なんかを議論にあげても、みんな男女交えてふつーに話します。日本でそのノリでA-10の話をふったら、年配のエンジニアから「女のくせに軍について語るなんて」とすげえ嫌な顔をされたことがあります。個人的には、性的な話題、差別につながる話題、相手の思想や宗教を貶めるような話題は論外としても、それ以外で「女だから」「男だか
今日本戻ってきて、日本で働いています。久しぶりのブログですが、あんまりたいしたことは書きません。ブログ名になっている「オッカムの剃刀」は、本当に大切なところ以外は、ばっさばっさ枝葉を切り落とす時に便利です。個人的な印象ですけど、アメリカのトップ研究者ほど、この枝葉を切り落とす腕とゆーか、さじ加減がうまい。で、アメリカにいたころは、この剃刀を振り回す人々についていたこともあって、まあざくざく切り落とすねあんたらは、と思ってました。よく、アメリカはスペシャリストの国だって言いますけど、あの国もなんだかんだ仕事が出来る人のところに枝葉がついたまま仕事が飛んできます。それを、彼らは枝葉をなぎ倒し切り落としちゃってそれで許されるところがあります。そして、本当に重要なことしかやらない。だから、スペシャリストが育つ。そういう人々から薫陶を受けると、自分もそーいう思考がまがりなりにも備わってしまうので、教
前回のエントリ、色々フォローしていただいたのでご紹介。改変されました(モンティパイソン的に)。緊急投稿:英語のプレゼンのこつ(全分野共通) - 服従するが果たさない英語のプレゼンの準備のしかた2009-05-21 - Chemical Reactions in ....My BrainたとえばOutlineはこー喋る(わたくしの場合)英語のプレゼンのこつ - tsugo-tsugo - はてなハイク口語なので、文法がおかしいのはしょうがない。世の中、台本無しで完璧な文法で喋ってる人はいません。最初のうちは、テンプレ作ってまるごと念仏のようにごにょごにょ唱えて、体で覚えるのをお勧めします。Outlineが好評で、ご要望をいただけたらひきつづき本題のテンプレも作ります。
今アメリカ音響学会に参加していて、色々な方のプレゼンをガンガン聞いてます。で、いろいろこれはつかえる、と思ったことがあるのでメモしておきます。自分用のメモなので、あまりまとまってません。使うのは、中学生レベルの英文法だけでよい。英語発表の典型的な英語の使いまわしがあるから、ただそのテンプレいくつか覚えて、口語でひたすら喋ればいい。途中で「あー」とか「えー」とか言わない。タイトルの直後のスライドに、outlineを用意する。outlineのスライドで、「こういう問題があって、これを使ってこーゆー結果がでたので、ここまで紹介します」と5行ぐらいだらだら書いて、それを一気に喋って、聴衆に概要を頭にいれてもらう。図が主体のスライドでは、とにかく問答無用で最初にThis is a picture(figure) of ほげほげ.と言う。図は左からみるのか、上から見るのか説明する。重要で面白い結果、強
私なんかは、入学後に複数のラボをさまよった人間なので、ラボの探し方というか、こういうラボがお勧め、こういう教授(PI)がお勧め、という話を書きます。研究者として脂がのっている時期かどうか年齢で言うと30代後半〜50代前半ぐらい、グラントも持っていて、研究者として売り出し中、業績をガンガンだしている先生。50代後半〜60歳ぐらいだと、もうその分野の大家になってしまっていて、研究と言うよりは、その学科のネームバリューを高めるような講演活動、執筆活動に忙しかったりします。勿論人によって「脂がのっている時期」はずれるので一概にいえないんですが、そのへんは経歴をWebでよくチェックされることをお勧めします。グラントの状態を把握する自分の在学期間とは、全く別のタイミングで教授が持っているグラントの期間は決まるので(2,3年、長い場合は5年間)、躊躇せずに訊いてみることをお勧めします。ラボのメンバーの構
教授との相性で私のサイトに来る人が結構いらっしゃるのでちょっと言及。私は担当教授が2年間で実質2回ぐらい変わってます。最初の教授A先生は理論系の先生で、私は理論の成績があんまりよくなかったので、研究テーマをくれなかったのです(非常にシビアです)。それで半年ぐらい、B先生のところで研究を手伝ってて、そのめどがついたのが去年の7月ぐらい。去年8月ごろ、今の担当教授が「おまえ計測得意やろ、わしがRA出すでー、うちで実験やらん?」と誘ってくれて今に至ります。このように、ふらふら学生がラボを異動してもやっていけるのは、BUには音響学だけで教授が10人ぐらいいるからです。日本だとどうなんだろう、こーゆーことは可能なんだろうか。でも学生が思っている以上に、学生には柔軟性と色んな能力があって、今いるラボで使いものにならなくても、他のラボで使える人間だったりすることはよくあるので、あんまり気にせずにふらふら
ちょっと今までのことを書いてみる。まず本人のやる気が大切。なにかやりたいことが出来たら、実現可能かどうか周りに訊いてみるのがまず最初にやること。たとえば子供のとき、私は天文物理学の研究者になるのが夢だった。誰かガイドしてくれる人がいるとありがたい。若い、どころか小学校ぐらいの幼いときは、自分の漠然とした目標を達成するための手順と難易度を、回りの大人に教えてもらう必要がある。一方で、人間は20をすぎてから、結構妙なところで化けたりするから、学問に関しては、高校ぐらいで「この辺でもうやめとけよ」って言うのは大人の余計なお世話だと思っている。学部でたいしたことなくても、大学院で化けるなんてざらだ。でもとにかく、自分をガイドしてくれる大人がそばにいることが、環境のひとつだと思う。私には25ぐらいまで、そういう人はあんまり周りにいなかった。気づいたら天文物理学と研究者になる夢はどこかにいって、計測器
小人である自分は、今までその分野に携わってきた数々の巨人たる研究者と、自分のアドバイザー(担当教授)の肩にのっているので、遠くが見えているにすぎない。Standing on the shoulders of giants - Wikipedia, the free encyclopedia自分のperspectiveというか、ものの見方は、今の環境によるところが大きいと思うので、修士課程終了後の新しい環境でも、謙虚にperspectiveを育てていきたいなあと思うこの頃です。
昨日、友達のファイナルディフェンスに参加してきた。ミーティングルームに大きなテーブルがあって、奥の席を教授陣が固めて、入り口に近い席に我々大学院生が座る。そして後ろのほうの席には、かつてBUでPh.Dをとって、今は研究所で働く卒業生の姿も。ファイナルディフェンスは誰でも参加できるので、今回はそのスピーカーのお母さまがクッキーを焼いて、ダンキンドーナッツのコーヒーサーバーといっしょに持ってきた。お母様とco-advisorの会話、「奥様、彼は実に素晴らしい息子さんだ。ぜひこちらに座って、彼の雄姿を見てあげてください」と激励。ああなんか見てるだけでこっちまでじーんとくるよ。内容は、投稿論文3〜4本分ぐらいのボリューム。うーむ。すごいボリューム。しかも面白い。この博士論文から、更に実践的な話の展開もありそう。実際の水中音響問題では、色々改善案も出せそう。と思ってたら、古典的手法と自分の提案手法の
かたかな書きで「パースペクティブビーム」。Perspectiveは個人的に好きな英単語のひとつで、「視点」という意味のほかに「大局観」という意味があります。これは一生の課題です。超一流の学者連中は、なんであんなに先が「見えて」いるんだろうと思うことはよくあります…。今の私は多分こんなかんじ。先は長い…。
自然言語処理における類似度学習(機械学習における距離学習)について - 生駒日記昔、理科大にいたとき機械学習はちょっとだけかじったので、なんとかがんばって読んでみたこのエントリ。うーむ、いい時代になりましたよね。研究者の頭の中、つまりその分野の最先端にいる人が、今この瞬間に何を考えているか、どういう視点に立っているかがブログを通して覗くことができてしまう。勿論それにいたる道のりは生半可なものではないし、考えていること、研究のネタそのまんま全部どーんと出す人もいれば出さない人もいるから、リバースエンジニアリングなんてアホな話にはならなそうなところが研究の良心というか、いいところですよね。いや、そうあってほしい。むしろ、考えていることを公開して、constructiveかつproactiveに議論していきたい。ど素人がその片鱗を味わうだけでも、ものすごく刺激的です。
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