「スポーツニュースは、そういうものだからこそ、心を許している私たちに<日本人>であることをじんわりと刷り込みかねない。だから、スポーツニュースは恐いのだ。」何かね、もう積極的に「嫌だ」とか「うるさい」とか絡んでいく気がしないのである。もはやちょっと引き気味。怖いです。気味悪いっす。長野五輪以降、大きなスポーツイベントが来ると、人は何故か心ひとつに束ねられてしまいがちなのは解ってたけど、今回のワールドカップは束が太い。結束してるヒモがきつい。凄いな。いや、別に束ねてどうしようとしているわけではないことも、時が過ぎれば驚くほどの早さでバラけることも知ってるけど。 ナンシー関「テレビ消灯時間」(「週刊文春」02年6月20日号) 今回取り上げる本はNHK記者、ニューズウィーク日本版副編集長を経て、現在では立教大学兼任講師(メディア・スタディーズ)でもあるジャーナリスト・森田浩之氏の「スポーツニュ