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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (4)

  • nix in desertis:高校世界史の教科書で「ニューディール」をいかに扱うか

    高校世界史深掘りシリーズ。一般にフランクリン=ローズヴェルト政権がとったニューディール(政策)はアメリカ経済を回復させ,世界恐慌からの回復を実現したというイメージを持たれていると思われる。実際にはアメリカは1937年の秋頃に再度不況に突入し,1938年には二番底を経験している。ニューディールは議会と司法の抵抗により当初の想定よりも小規模でしか実現されず,十分な効果を発揮することができなかった。司法の抵抗としてはNIRAの違憲判決が有名であろう。議会は共和党はもちろん,民主党も南部の保守派が強く抵抗した。ちょうど民主党がリベラル旋回の途上にあって,伝統的な民主党の党員と亀裂が生じていた時期と重なっていたというのは見過ごされがちであるかもしれない。結局,アメリカが世界恐慌からの完全な脱却に成功したのは第二次世界大戦による軍需拡大の貢献が大きい。 しかし,ではニューディールの歴史的意義が過大評価

    satis
    satis 2021/01/19
    歴史観を形作る、世界史の教科書でのニューディール政策の扱われ方について『どう扱うかは判断の分かれるところ―研究の進展で事実や解釈が変わったということではなく,どこに力点を置いて扱うかという話になる』
  • nix in desertis:なぜイスラーム国は預言者ヨナの墓を破壊したか,と聖遺物崇敬の話

    ・預言者ヨナの墓、ISISが破壊 キリスト教などの聖地(CNN) 武装勢力に破壊されるイラクの文化遺産―預言者ヨナの墓も(ウォール・ストリート・ジャーナル日版) イスラーム過激派のISIS(自称「イスラーム国」)は,預言者ヨナの墓廟とされる建物を破壊した。これに対するリアクションで多く見られたものは,「狭量な過激派がまた異教の宗教施設を破壊したか」というものと,ヨナが『クルアーン』にも登場していることを知っている人たちの「イスラーム教での聖人であるはずのヨナの墓をなぜ」というものであった。後者の疑問については,実はかなりいいところを突いている疑問だと思う。ちなみに,2年ほど前にもアルカーイダ系の組織がイスラーム教の聖者の墓廟を破壊している。つまり,これはISIS独自の行動というよりも,過激派にある程度共通する行動といってよい。ここら辺について,ちょっとした解説を試みる。 まず,根的な話

    satis
    satis 2014/07/29
    ISISによる墓廟破壊から見る、イスラム世界での「聖者」「聖遺物」への「崇敬」の問題についての分かりやすい解説。
  • nix in desertis:江戸時代と米本位制

    ・世界初!愛知県豊田市で誕生したコメ兌換通貨の凄味〜「腐るおカネ化」で流通の加速を目指す(ダイヤモンド・オンライン)(Yahoo!ニュース) 自分以外も何人か指摘していたが,これは要するに江戸時代の制度とほぼ同じである。江戸時代は金銀複位制だったということになってはいるが,実際のところは金銀米複位制だったというのが適当だろう。 誤解を恐れずざっくり説明すると,江戸時代は身分・階層・地域によって貨幣が異なっていた。武士は農民から米を現物で徴税し,それを上方(大阪)で換金。西日の通貨は銀貨であったためここで銀貨に変わるが,さらに東日・江戸幕府及び各大名は金貨を正規の通貨としていたため,これをそれぞれの歳入とする折,もしくは東日の商人に流通させるべく,両替がなされる。この一連の兌換にかかわって大もうけしていたのが両替商である。大名や大商人への貸し付けもやっていたから,すでに銀行とほぼ同

    satis
    satis 2013/02/03
    石高制の問題点『米の収穫量が米価を決め,米価が都市民の購買力に直結するため,そのまま諸物価に影響するという構造』『結局米の収穫量=通貨流通量が毎年のように変化するため経済が混乱する』
  • nix in desertis:南北アメリカの歴史的相違点

    ・何でブラジルは豊富な資源や広大な農地があるのにアメリカみたいになれなかったんだ(歴史的大敗) 少なくとも民族性や気候のせいにするのはちょっと。まあそういうものも必ずしも無きにあらずという気もしつつ,と思ったので取り上げる。マジレスすると南米が経済発展しなかったのは長く続いた地主制(カウディーリョ)のせい,というところでおおよそまとめられると思う。独立はしたけれど,政治的独立は必ずしも経済的独立とは言えない,という話。また,ブラジルがBRICsにカウントされているように今後のことはわからないので,「今南米に『アメリカ合衆国』が存在しない理由」に絞って話をする。 植民地は「一次産品,農産物を国に送り,かつ国の工業製品を買わせる」という意味合いが強いので,普通国のほうで縛って商工業は発展させない。よって,自然と地主が現地民をこきつかって農産物を量産する,プランテーション経営が成立しやすく

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