ヒトのiPS細胞から情報伝達のスピードがより速い神経細胞を作り出すことに慶応大学の研究グループが成功しました。グループでは、2年後をめどに交通事故などで脊髄を損傷した患者を治療する研究を進めていて、患者の体の運動機能を事故前の状態により近づけるのに役立つ可能性があるとしています。 「髄鞘」は、神経細胞がやり取りする電気信号が互いに干渉しないようさえぎる膜で、情報伝達のスピードを高める働きがあります。グループでは、特定の遺伝子を活性化させる「プルモルファミン」と呼ばれる薬剤を加えて、iPS細胞から神経の細胞を作ったところ、髄鞘を作る細胞の割合が、3%から35%まで大幅に高まったということで、マウスに移植したところ、長い時間走れるようになったり歩幅が伸びたりするなど運動能力の回復も見られたということです。 研究を行った岡野教授は、「脊髄損傷の患者への臨床応用に向け、従来の方法とどちらがよいか研
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