前回は、クラウドにおいてビジネスを行う企業の重要成功要因の1つとしてプラットフォーム化を挙げた。自社の基盤機能を広く他社に使ってもらうことで、自社サービスの価値を高めると共に、顧客のスイッチングコストを高め他社のプラットフォームに移りにくくすることで、長期的な差別化要素を得るという戦略だ。「(競合を含む)他社にコントロールを明け渡すことで価値を高める」という、絶妙なバランス感覚が求められる戦略である。 今日のクラウドの世界において最もプラットフォーム化を進展させている企業は、アマゾンと言ってよいだろう。クラウドの世界での成功戦略を考える上で、ロールモデル的な企業の1つとも言える。 「アマゾンはどのような企業であるか」という質問に対して「ウェブ上で書籍やCD等を販売している企業である」と答えたならば、アマゾンという企業の半分しか表現できていないことになるだろう。同社は、クラウドの基盤サービス