うだつのあがらない後輩がいる。 前例のないミスを繰り返しナチュラルに予定を忘れてすっぽかす。 しかし人手が足りない現状を考えると、強くは言えない。 人手不足ゆえ門戸は広がっているけれど、入社期間が伸びれば伸びるほど注文が増え負担が増え、結局それに応えられる人しか残らないので新人とそうでない人の実力の落差がすごい。しかも給料はそこまで変わらない。多少、雀の涙ほどは増えたけれども。 先輩は私に愚痴をこぼした。 後輩も自分と同じ待遇で入っているのだから、もっとしっかりしてほしいと。 私は思った、ナチュラルボーンブラック根性。 恨むべきは後輩のスペックではなく一向に上がらないあなたの給料なのだと、思いはしたものの言えなかった。 こういうとき女が求めているのは意見ではなく共感であると、私はなんとなく知っていたので口をつぐんだ。 ようやく形になった私が辞めていくことを惜しんでくれた。 まともな社員は負