岸田文雄首相が税収増分の還元策として想定する所得税減税を巡り、与党の税制調査会は一定額を本来の納税額から差し引く「定額減税」を軸に検討を進める見通しだ。所得税を納めていない低所得者に対しては給付金を視野に入れる。ただ減税については効果を疑問視する意見も根強い。税調の議論は紛糾し、思うように進まない可能性もある。 【表】「4人家族で1カ月に必要な金額」京都総評の試算と内訳 自民党税調は23日、「インナー」と呼ばれる非公式幹部会を開いた。出席メンバーによると、会合では経済対策に盛り込む予定の減税に関して議論があったという。令和6年度税制改正に向けたテーマの洗い出しも行ったとみられる。 自民、公明両党の税調は年末にかけて所得税減税を議論するが、念頭に置くのは定額減税だ。年収に関係なく一定額を差し引くことから、所得水準の低い層がより減税を実感できる。 所得税減税の手法としては納税額の一定比率を差し