親ロシア派支配地域との最前線近くで警備するウクライナ兵(写真:Anadolu Agency via Getty Images) ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が高まっている。情勢が緊迫化した背景、ロシアがウクライナにこだわる理由とはいかなるものなのか。AERA 2022年2月14日号で、現地で取材する朝日新聞記者が解説する。 【図版】緊迫化するウクライナ情勢 * * * 2014年2月、ウクライナでは当時の親ロシア政権に抗議する市民を治安部隊が銃撃し、100人超の死者が出た。責任を問われるのを恐れた大統領が逃亡し、親欧米路線の政権が誕生。これに反発したロシアが強行したのがクリミア半島併合だ。 ■止まった和平プロセス 直後にプーチン政権の支援を受ける親ロシア派勢力がウクライナ東部の一部を占拠し、ウクライナ軍と武力衝突が始まった。翌年2月、停戦合意が結ばれたが、ロシアの強い意向が働き、