大停滞、タイラー・コーエン (著)、池村千秋 (翻訳) (The Great Stagnation: How America Ate All the Low-Hanging Fruit of Modern History, Got Sick, and Will(Eventually) Feel Better, Tyler Cowen) アメリカで昨年とても話題になった本である。著者はアメリカのまっとうな経済学者で有名ブロガーである。とはいえ、この本は従来の経済学のフレームワークに疑問を投げかけるものだ。この本の主張を簡単にいうと次のような感じだ。 科学技術の進歩、あるいはイノベーションは、我々を驚くほど豊かにした。これは経済学的にはGDPの上昇として表現される。しかし、そろそろこういうイノベーションはもうお終いじゃないか。自動車、飛行機、洗濯機、テレビ、コンピューターなどといったものは何十