オビの説明が的確。 つくづく人間(作家)は面白い。盗作、パクリ、剽窃、無断引用、著作権侵害、作家のモラル…をめぐって繰り広げられたドタバタ(悲喜劇)を博捜し、事件としてでっち上げられる過程を冷静に考察した“盗作大全”。 盗作の是非とか二次創作とかメディア論とか、あるいは本歌取りとかインターテクストとかそういう話はさておき、盗作騒動の事例を網羅的に紹介する本。論より事実で、あくまで起きたことをベースにして語っているのだけど、480ページが苦にならないぐらいぐいぐい読ませ、読み物としても面白い。まさにドタバタ人間模様。 論より、とはいえ、本書では通底する視点として、以下の3つに批判(揶揄)の目を向けているように思う。 出版社(版元)の権利管理 文壇の縦社会 マスコミやネットのセンセーショナリズム 江戸時代から明治初期には、版元が権利を握っていて二次創作やりほうだいだったとか、そのころの文壇では