東京のシーズンが幕を下ろした。8強入りしていた天皇杯準々決勝で広島に延長戦の末敗れ、リーグ戦での年間順位はクラブ最高位の4位。天皇杯、ナビスコ杯はともにベスト8での成績。来季のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフからの出場権を獲得したものの、東京というクラブが「勝つこと」にこだわって指揮を任されたフィッカデンティ監督の2年間は、無冠で終えた。 この2年間、昨季の14戦連続不敗記録をつくり、今季は最多勝ち点。最後の試合で「ベストのチームを残して行く」と語った同監督は、ピッチ内外で一定の規律を求めた。試合の2日前から門限を設け、午後11時以降は外出禁止にした。理由は当然、試合にいい準備をするため。そしてピッチ内では、威厳を保った。 今季開幕前のキャンプでのことだ。紅白戦を行っていた際、ある選手がレギュラー組から交代を指示されたときだった。着ていたビブスを脱ぎ、代わる選手に渡すため投げ